風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

思索

「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」(マルコによる福音書15:34)

「夫の本 ー『絶対無と場所 鈴木禅学と西田哲学』(秋月龍珉=著)」で私は、滝沢克己氏は「神の選びと裁きがナザレのイエスというキリストとしてこの世に来られた“人”の上に現されたというバルト神学の真骨頂とも言うべき(二重予定の)部分を理解していな…

夫の本 ー『絶対無と場所 鈴木禅学と西田哲学』(秋月龍珉=著)

myrtus77.hatenablog.com そう言えば、西田幾多郎関連の本を夫が持っていた、と思って探し出してきた。 秋月龍珉=著『絶対無と場所 鈴木禅学と西田哲学』。 1996年第1刷発行の分厚い本だ。中をちらちら捲ってみると、解説を八木誠一が書いているよ〜、まい…

先ずは西田幾多郎から(礼拝後の研修会で頭の中がヒートアップ!)

礼拝後に行われた『日本伝道のいま、これから』という講義のレジメの一部。 昼食前の一時間位の中で、ソシュールからレヴィ=ストロースまでポストモダンについて取り上げ、分かりやすく解説して、しかも大事な点をきちんと伝えるから、この先生の頭の中はど…

神の御心はどこにあるのか?(『士師記』を読んで)

イスラエルに王がいなかったそのころ、エフライムの山地の奥に一人のレビ人が滞在していた。彼はユダのベツレヘムから一人の女を側女として迎え入れた。(士師記19:1) 「イスラエルに王がいなかったそのころ」と始まる士師記19章から最後までの部分を読んで…

「主を知ること」(ホセア書5:10~6:3)

「主を知ること」 2022年9月11日(日) 聖霊降臨日後第14主日 聖書箇所:ホセア書 5章10節〜6章3節 人間は、困難な状況の中でその真価が問われます。いざという時にどう行動するかで、その人がどういう人か分かります。 ホセアという預言者は、紀元前…

恵みに満ちた律法(聖書から栄養学へ ー ネヘミヤ記8:10より)

彼らは神の律法の書を翻訳し、意味を明らかにしながら読み上げたので、人々はその朗読を理解した。総督ネヘミヤと、祭司であり書記官であるエズラは、律法の説明に当たったレビ人と共に、民全員に言った。「今日は、あなたたちの神、主にささげられた聖なる…

「哲学の根本には宗教がある」?(カルト宗教が問題になっている今日この頃・・)

■何故、右翼テロは、宗教テロに負けたのか。(鹿児島「毒蛇山荘で考えたこと」)⇩⇩⇩https://t.co/5nufcNnaTk — 山崎行太郎bot (@Tetutarou0610) 2022年7月24日 このFacebookには、「哲学の根本には宗教がある」というようなことが書かれているんだけど、近頃…

惨めな者

この世の生活でキリストに望みをかけているだけだとすれば、わたしたちはすべての人の中で最も惨めな者です。(コリントの信徒への手紙一15:19 新共同訳) この言葉を聴いた時、ヴィクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」というのは、この言葉が元にあるので…

「心を水のように注ぎ出せ」(哀歌2:19)

立って、よまわりの始まる時に叫べ。 主の前で、心を水のように注ぎ出せ。 幼子たちの命のために 主に向かって両手を上げよ。 彼らは街角の至るところで 飢えで弱り果てているのだ。(哀歌2章19節 聖書協会共同訳) 「心を水のように注ぎ出す」とは、祈るこ…

お聴きしながら、礼拝中に号泣した説教

myrtus77.hatenablog.com『聴く』3、4月号は、他教派の引退教師によるお説教を掲載させて頂きました。 「キリストの前に近づいて」(マタイによる福音書15:21〜28) (略) 口語訳では、「女は近寄り」と訳しています。引き返すどころか、イエスさまにもっ…

すべての人を憐れむために・・。

あなたがたは、かつては神に不従順でしたが、今は、彼らの不従順によって憐れみを受けています。それと同じように、彼らも、今はあなたがたが受けた憐れみによって不従順になっていますが、それは、彼らもやがて憐れみを受けるためなのです。(ローマの信徒…

柄谷行人botから考えた結核と、パン食と、アルギニンについての考察(アトピーとの闘い最終章)

結核治療における栄養管理の重要性 結核は消耗性疾患なので,多くのエネルギーを必要とします。摂取エネルギーが不足すると,筋肉を分解しエネルギーとして使うことで体重が増えず,筋肉減少に繋がります。体重や筋肉の維持 ・ 増加には,たんぱく質だけでな…

失調型パーソナリティと、『旺盛な生活者』

特徴と背景 失調型パーソナリティ障害の特徴は、一言でいえば頭で生きているということである。奇妙でユニークな思考や直感が常に生活や行動に影響を及ぼしている。何も考えていないようだが、頭の中の思考は驚くほど活発で、常に頭の中で対話していたり、自…

「神は…動物の皮で作った服を着せました」(創世記3:21 リビングバイブル)

二人の目は開け、自分たちが裸であることを知り、二人はいちじくの葉をつづり合わせ、腰を覆うものとした。(創世記3:7 新共同訳) 主なる神は、アダムと女に皮の衣を作って着せられた。(3:21) リビングバイブルでは、「動物の皮」と訳されている。 神は…

夏目漱石小品『文鳥』

引っ越しの荷物の中から夏目漱石の短編集を見つけ出して『文鳥』を読んだ。 ここには、自分への怒りが描かれている、と思った。 弄んで死なせてしまった自分への怒りが。 十月早稲田に移る。伽藍のような書斎にただ一人、片附けた顔を頬杖で支えていると、三…

「とぶように・・・」長田大三郎=詩

この詩を初めて目にしたとき、なんて苛酷なのか、と思った。 けれど、今は違う。 きっと、飛びつづけることで、慰められるのだ、と思う。 悲しんでいる人たちは、さいわいである、彼らは慰められるであろう。(マタイによる福音書5:4)

「地は混沌として、闇が深淵の面にあり」(創世記1:2)

創世記1章1−5節 「光あれ」礼拝説教 (抜粋) 1節の「初めに、神は天地を創造された」という宣言の後、2節以降に具体的な創造の御業が述べられています。まず、2節の言葉「地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた」とあります…

自覚することの難しい「無自覚の罪」 ー ドストエフスキー『罪と罰』から

自分の罪というのはそれぞれに与えられる出来事を通して自覚されるものだろうと私は考えていて、私自身の「罪」についてはこれまでにいくつかの出来事を通して自覚しているのだが、ここでは、自覚することの難しい「無自覚の罪」について考えてみたいと思う…

「毛を刈る者の前で黙っている雌羊のように・・」(イザヤ書53:7 聖書協会共同訳)

第二に、女性の不在について。神による「試し」の物語、絶対的責任の、極限の証しの物語であるイサク奉献は、徹頭徹尾、父と息子、男性的形象(父なる神、アブラハム、イサク)の物語であって、サラをはじめとして女性についてはなに一つ語られない。それは…

再建されるキリスト(『デリダ 脱構築と正義』から考察する)

私は今、あなたが買って持っていた『デリダ 脱構築と正義』に嵌まって読んでいます。栞が挟まっていた「アブラハムと責任のパラドクス」から読み始めました。 それで、「脱構築」とは、建て上げるための前段階なのだと思いました。 エレミヤに臨んだ主(しゅ…

「じっさいには神こそが決定するのです」(『デリダ 脱構築と正義』より)

さらに、デリラの「決定」論のもう一つ重要なポイントが、アブラハムの決定をとおして見えてくる。それは、「主体」には決定はできない、なぜなら、真の決定はある意味で他者の決定でなければならないから、ということである。 主体は決定することができない…

高橋哲哉=著『デリダ 脱構築と正義』から、イザヤ書53章7節

彼は虐げられ、苦しめられたが口を開かなかった。屠り場に引かれて行く小羊のように 毛を刈る者の前で黙っている雌羊のように口を開かなかった。(イザヤ書53:7 聖書協会共同訳) デリダはまず、キルケゴールとともに、アブラハムの「秘密」に注目する。ア…

夫の本 ー『デリダ 脱構築と正義』(高橋哲哉=著)

このところの夫は、哲学者の哲学や思想を解説した本をよく買っていた。 『デリダ 脱構築と正義』(高橋哲哉=著)。この写真、デリダ自身かな? これもその一つだ。新しい本だ。 捨てなくちゃと思いながら捨てられず、中を開いてみると、栞を挟んだページの…

『聴く』5、6月号 ー 長老の説教から

「逃げない主」(マルコによる福音書14章43節〜52節) ○○長老説教その1 〈 本の紹介 〉『わたしはよろこんで歳をとりたい』 ○○長老説教その2 娘の皮膚をもとに戻すことに難航している時に、この原稿を作っていた。 原稿を仕上げてぼんやりと眺めていると、…

「愛したい!愛したい!」という叫び

私はどうして『カラマーゾフの兄弟』は没頭して読むことができたのだろうか。 それは、この小説の中から、「愛せない!愛せない!」という無数の叫びが溢れ出していたからなのだ。否!「愛したい!愛したい!」という無数の叫びが。 それはドストエフスキー…

今日の説教、『バベルの塔』(創世記 11:1〜9)

コロナの中で 窓あけて雨の礼拝 燕鳴く fruktoj-jahurto.hatenablog.com バベルの塔、と言われる聖書の箇所です。昔話のような語りで話は進みます。 昔、昔、「全地は同じ発音、同じ言葉であった。時に人々は東に移り、シナルの地に平野を得て、そこに住んだ…

語る者の信仰の限界が現れ出ているような説教。しかし説教は・・。

fruktoj-jahurto.hatenablog.com パウロは祈りを込めてこの手紙を書いただろうと思います。それは今、遠くにいる人とも電話で話せる、会いに行くことだってできる、そういう時代に生きているわたしたちには、想像できないくらいの思いだろうと思います。 ま…

「果てない夢がちゃんと終わりますように」(一青窈『ハナミズキ』より)

薄紅色の可愛い君のね 果てない夢がちゃんと終わりますように 君と好きな人が百年続きますように(一青窈『ハナミズキ』より) 「果てない夢がちゃんと終わりますように」という部分が分からないでいた。 「果てない夢」が「終わる」とは?と。 昨日、ふと思…

もっと喜ばしい体を持って・・。

myrtus77.hatenablog.com キリストの復活は、単に魂が肉体から離れて行ったというのではなく、体をもって復活された。福音書は、どれもキリストが葬られた墓がからであったと記している。また、復活された主イエスが、復活を疑う弟子のトマスに向かって「さ…

人生の通奏低音は『苦しみ』!

最近、毎週お聴きしている教会の説教で、 「イエスは処女マリアから生まれ苦しんだ、と。楽しいこともあれば良いこともありますけれども、私たち罪の世の中の罪人の人生の通奏低音は、一番基本に流れているものは、『苦しみ』なんですね。」(https://drive.…