風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

聖らかな風

恩寵は苦難の中に見出だせる静けき朝のきよらかな風 あさかぜしずかにふきて 小鳥もめさむるとき きよけき朝よりきよく うかぶは神のおもい (讃美歌30番より)

大石誠之助(大逆事件から百年を経て)

寄せ集めの古き写真の真ん中で誠之助は柔らかに笑む 大石誠之助は大逆事件で処刑された人物だ。そして、私の故郷の人だ。 私が故郷に帰った後、事件から100年ということで、テレビでも取り上げられた。 冤罪の古き事件の映像に笑みて映れり処せられし人は 大…

葉裏に

花の季(とき)過ぎて葉裏に静まれり てのひらに毛虫這はせて子の帰る緑組む毛虫の繭におどろきぬ蛾となりて放ちし後の硝子壜 娘の通っていた保育園の庭には桜の木がいっぱいあった。 ある時迎えに行くと、掌に毛虫を這わせながら「持って帰って、飼う」と言…

引き戸開くれば

町裏の古き小さき煎餅屋の引き戸開くれば茶の香流るる 「流るる」というのは連体形だから、普通ならこの後に体言が省略されているはずだけれど、この場合は違う。時折こんなふうに、終止形で終わるべきところを連体形で終わっている短歌を目にするのだが、ど…

三宝柑(さんぽうかん)の花

三宝柑の花は、疑うことをまるで知らない嬰児の瞳のようだ。この花を見ていてこんな聖書の言葉を思い出した。戒めを守って、命を得よ。わたしの教えを瞳のように守れ。(箴言7:2) だけど、瞳のように教えを守れとは、どういうことだろう。 ずっと、混じり…

白い芍薬

火炎のごと紅き花心を立てて咲く芍薬は白き衣をまとひ 母の庭はほとんどのものが絶えて無くなってしまっているが、この芍薬だけは家を建て替えたときも大事に移植して今も残っている。私が結婚した時、母が鉢にあげて持たせてくれたが、それは3年もしないう…

ハナミズキ(一青窈=作詞)

五月と言えば、『ハナミズキ』。後半部分の歌詞がとても好きだ。 ひらり蝶々を追いかけて白い帆を揚げて・・母の日になればミズキの葉贈って下さい待たなくてもいいよ知らなくてもいいよ ここの部分は母親の立場から歌ったものだろうか。自分の蝶を追いかけ…

つばめのその後

壊れていた巣を完成させて一羽は巣の中に、一羽は巣を見張るように駐車場のシャッターに止まっていたんだけど・・。数日前の朝に見ると、巣が少し崩れていた。夜は帰ってきて二羽とも崩れた巣で眠っているようだけど、どうなるんだろう・・。

五月のうた

五月のうた 竹内てるよ 五月は 不思議な月だ そしてなつかしい季節だ まだ成長のはじめの日に 窓にうつるアカシアの若芽をながめた日から 五月は 人生に深い謎を持つ ・ まずしいくらしのたそがれを 疲れてかえるつとめもどりの町に 木の芽あえのかおりなど…

スーパームーン

スーパームーンを写真に撮った。 赤き月で俳句を作ろうとしたが、凡庸な私の頭は一句もひねり出せなかった。[[[[[[[

紫蘭(シラン)

香り無く水も濁さず透明の硝子の瓶に紫蘭咲きゐる 昔うちにあった芍薬でも山茶花でもほのかに香りがして、色は白。そこが好きだった。ところがこの紫蘭という花は香りもなく、私があまり好きではない色を持っているのだが、こんなふうに硝子の花瓶の中で咲い…

原発は地球温暖化の原因の一つだった

う〜ん、まいった!ここまで騙されていたとは。 詳しくはこちら、 ↓ http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20120511/p1補足 ↓ http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20120512/p2まとめ(これを見るのが一番) ↓ http://d.hatena.ne.jp/koumichristch…

葛原妙子18

葛原妙子が「幸せな大詰め」を迎えるために、ご長女の猪熊葉子さんは欠かすことの出来ない存在であったと思う。けれど『児童文学最終講義』を読むと、妙子は葉子さんよりも先にカトリックに無意識のうちに引き寄せられていたのではないかと私には思える。『…

葛原妙子17

奔馬ひとつ冬のかすみの奥に消ゆわれのみが纍々と子をもてりけり『橙黄』 葛原妙子のご長女である猪熊葉子さんは『児童文学最終講義』の中でこの短歌を紹介した後、次のように言っておられる。 「子どもの立場から言えば、どうしてそんなに累累と子どもたち…

愛されたという体験

『死にゆく者からの言葉』鈴木秀子=著(文春文庫) 私は本を初めから順序よくは読まない。小説であっても、たいてい解説があれば解説から読む。そして途中まで読むと必ず結末を読んでみる。エッセイだと尚のことだ。『死にゆく者からの言葉』という本を文庫…

原発はいらない!空にはこいのぼり

炉心融け子らの未来は遠霞原発はいらない!空にはこいのぼり

『みどりのゆび』モーリス・ドリュオン作(岩波少年文庫)part2

大砲に花を咲かせよみどりの日 みどりの日 兵器商から花つくりびとに みどりの日はみどりの日のまま平和の日明日はみどりの日。 おとうさんはいいひとなのです。そうでしたね。いいひとで、しかも兵器商人なのです。ちょっとかんがえると、むじゅんしている…

『みどりのゆび』モーリス・ドリュオン作(岩波少年文庫)part1

触れると、何にでも花を咲かせてしまう指を持ったチト少年のお話。 モーリス・ドリュオン作『みどりのゆび』(岩波少年文庫) 庭師のムスターシュおじいさんは、チトの導き手として重要な存在である。 「ムスターシュおじいさん、おじいさんは戦争のこと、ど…

葛原妙子16

クリスチナ・マヌエラと云ふ汝が教へ名うるはしみ思へかかるゆふべは『橙黄』 葛原妙子のこの短歌が載っている『橙黄』には、次のような歌もある。娘(こ)を領せむすでにあやふし受洗のこと息つめて一夜あらそひしのち をとめの日わが持たざりし堅忍を祕め…

しあわせな大詰めを求めて

『児童文学最終講義しあわせな大詰めを求めて』猪熊葉子=著(すえもりブックス)「しあわせな大詰めを求めて」というサブタイトルに惹かれて読んだ。とても歯切れが良くて、面白く読めるんだけど、泣けた。 ずっとあとになって、「妖精物語について」を訳す…