風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

葛原妙子48

少年が成年となりてたくはへし頤鬚わかきキリストめきたり 『をがたま』 ここに詠われているのは、第六歌集『葡萄木立』の「後記」に語られている葛原妙子の「濃い血液をわけ与えている」男の子であろうか。それとも、長じてカトリックの司祭になられたとい…

歌のやうな

まこりんさんへ一匹で蛹になってる傍らでカタバミが花さかせてるこの写真は羽化した後のもの。葉の上でじっと動かない。まるで美しい宝石のようだ、ナミテントウ。 てんとう虫は、一頭、二頭と数えるらしい。でも私は、「一匹」と言いたかった。 こちらは二…

西田哲学に思いを巡らせてみる

西田哲学をこれから学ぼうと思っているわけではない。そんな時間はない。 けれど、自分がこれから向かって行くべきところがどこなのかはっきりさせておく必要はある。行くべきところと行くべきでない方向の違いを自分なりに明らかにしておきたい、と思った。…

上田薫=著『林間抄残光』と上田薫=編『西田幾多郎歌集』

その辻に人消えしまま春夕べどこか暗い花をくぐれば海への道 悲しみはより深い悲しみのなかで癒される夏原の色やや褪めて海の音ほめし亡くほめられしも亡く夏の墓 (上田薫=著『林間抄残光』(黎明書房)より)俳句を作ろうとする時に、自分の心情にぴった…

夏に向かう香りの中で・・

「カリフォルニア・加州ラジオ草紙 (1)」のMappleさんが、「plaintive」という単語が「もの悲しい」という意味に近いのでは?と教えてくださいました。 ↓ なんとなく哀しい、ものがなしいはどこからくるのか? 夏に向かう香りの中で時空の隙にはまり込む わ…

梨木香歩=作『裏庭』(新潮文庫)

● 半分あきらめて生きる いずれそのような重大な責務を担うことになる子供たちは、たぶん今の学校教育の場ではあまり「ぱっとしない」のだろうと思う。「これを勉強するといいことがある」というタイプの利益誘導にさっぱり反応せず、「グローバル人材育成」…

最高裁で覆されないことを祈る!

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神の命令に生きる−神とは、どこまでも人間の外側に人間とは全く別のものとして存在するものでなくてはならない(ルツ記から考える共同体)

● 福島の鼻血問題(その3)− 2年前、自民党議員たちの鼻血発言 福島で、原発事故の後、多くの人が鼻血を出しているという事実について、当時、野党だった自民党議員たちが民主党政府を責めていました。もう忘れたのでしょうか?それとも、福島県でたくさん…

浴衣を販売するロボットと「雇用のはなし」と、群ようこ=作『れんげ荘』

● 読書『だから日本はズレている』と『雇用のはなし』。 「それでも今回、古市が珍しく真面目に主張しているのが、革命だの、闘争だの言うより、身の回りをよくすることのほうが先だ、と言うこと。農業を始める人、社会起業を始める人、生活の『ダウンシフト…

カラスはお日様にぶつかっちゃうよ

お隣の坊やが保育園からの帰りにお母さんと話しているのを小耳にはさんだ。坊や:(このまま飛んでいったら、)カラスはお日様にぶつかっちゃうよ。 母親:大丈夫だよ。お日様は、烏が飛んでる所よりもっとずっとずっと高い所にいるからぶつからないよ。 ふ…

村上春樹『女のいない男たち』についての沼野充義氏の書評から

村上春樹小説にはいつもちらりと関心を持ちながら結局読む気にならず一冊も読んでいない。この『女のいない男たち』というタイトルを広告で見た時も、「『女のいない男』って・・?」とちらりと思ったが、読む気は全くなかった。そんなことを思っていたとこ…

映画「シロウオ〜原発立地を断念させた町」紹介

● ★0516 再稼働反対!首相官邸前抗議! こうやって静かに座っている人たちの気持ちが一番強いと思う。この人たちは、映画『チョコレートドーナッツ』で見た、(八方塞がりの状況でも)『それでも、戦うんだよ』と事もなげに言える精神を体現している。(リン…

アトピーとの闘い'14−5(日焼けや潮風、そして花粉など外からの刺激に・・)

生後5ヶ月の頃、ちょうど今頃の季節に母に孫を見せに連れ帰ったのだが、来るなり、顔が赤く腫れて滞在中の1週間の間にアトピーの経過を辿って、元に戻った。小児の頃は腸の機能が発達していないので食べ物が原因となる場合が多いと思うが、その頃はもうアト…

良いエッセイに出会うと・・幸田文『濡れた男』より

高校の頃、現実的には、中学校の英語の教師になりたいと考えていた(実際には、挫折して、なりたいとも思っていなかった小学校の教員になったのだが・・)。が、夢ではエッセイストになりたいとも考えていて、日本エッセイストクラブのエッセイ集などを本屋…

今日、お誕生日の方に -こどもさんびかより

生まれて今日までみんなから 愛されてきた友達の 誕生日です おめでとう〜 「こどもさんびか80番 - 2」

「わたしは荒野を見たことがない」エミリー・ディキンソン

わたしは荒野を見たことがない エミリー・ディキンソン わたしは荒野を見たことがない。 わたしは海も見たことがない。 けれども、知っている。 ヒースの花がどんな風だか、 怒濤というものが何であるか。 わたしは、神と話したことも、 天国に行ったことも…

「El Camino(エル・カミーノ) 僕が歩いた1600km」芳賀言太郎のエッセイ 第2回

● 「El Camino(エル・カミーノ)僕が歩いた1600km」第2話 巡礼路の洗礼 「ル・ピュイのカテドラルの薄暗い内部階段を下りて外に出る。振り返るとどことなく異国情緒の感じられるファサード。白と黒のストライプのアーチが私を巡礼へと送り出す。」(引用) …

「『福島原発見学後に鼻血』漫画『美味しんぼ』描写」と「核のごみ回収可能に処分方針転換」 - 新聞記事より

漫画『美味しんぼ』の描写が話題になっていたようだが、私自身も昨年3月に福島に行き、その後しばらく体調が悪かった。鼻血こそ出なかったが、横になってもしんどくて、心臓がバクバクした。横になってもしんどいという体験は今までしたことがなかった。その…

罪を担う - ヴァイツゼッカー演説『一九八五年五月八日』より

● キリストの手紙 (聖霊について、その2) 「荒れ野の40年」と題されるリヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー大統領のドイツ終戦40周年記念演説を読んでいて、「罪を担う」ということについて考えさせられたのでした。その中の一節を引用します。 罪責があ…

憲法記念日は過ぎたけれど、日本国憲法の誕生について

● 「憲法9条をノーベル平和賞に推す神戸の会」 日本国憲法がノーベル平和賞もらったら、いったい安倍首相はどんな顔をしてコメントするか想像するだけで楽しいですね。● 日本国憲法の制定過程(その1)と日本国憲法の誕生 1949年10月1日に中華人民共和国が成…

ひらり蝶々を追いかけて -『ハナミズキ』(一青窈=作詞)

ひらり蝶々を追いかけて白い帆を揚げて・・母の日になればミズキの葉贈って下さい待たなくてもいいよ・・知らなくてもいいよ・・ しばらく前に花水木の枝が会堂に活けられていた。 開いた花の横に不思議な形をした蕾がついている。 四弁の向かい合う二弁が手…

おもしろ過ぎるブログ記事 -100回目の首相官邸前抗議!

● 同じことを100回も言わせるな!(笑):0502 再稼働反対!首相官邸前抗議! 自分が全ての事象を理解できるわけでもないし、権力を持っているわけでもない。だったら自分を疑いながら、それでも自分の生活を少しずつ変えていくしかない、と思うのだ。自分の…

葛原妙子47

あめつちのはじめの日に夕ありき朝ありき悪しきものは萌え出で『鷹の井戸』 葛原妙子は第七歌集『朱靈』で自己の罪と深く向き合ったと私は考えていたのだが、第八歌集『鷹の井戸』のこのような短歌を見ると、人間というのは難しいものだとつくづくと思わされ…

罪を背負うー夏目漱石『夢十夜』第三夜より

漱石の『夢十夜』の第三夜はとても恐ろしい夢なのだが、これを読んでいて、ふと、「罪を背負う」ということを思った。それも、「自分の与り知らぬ罪」を。 こんな夢を見た。 六つになる子供を負(おぶ)ってる。慥(たしか)に自分の子である。(『夢十夜』…