2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧
吹き荒るる風を残して今日の月
その胸よひた思ふなり肋骨が知慧(ちけい)のごとく顯ちたる胸を『飛行』 自分の中に弱さや醜さを見つけて苦しむと、人はキリストの苦しみに思いを向け始めるのだろうか。ゆだやびと花の模様をもたざりきその裔にして生(あ)れしきりすと『薔薇窓』 キリス…
第一歌集『橙黄』には原罪について詠った短歌がある。 ここでは、後に改変され森岡貞香によって異本とされたほうから引用したい。原罪をうべなふつつしみ缺けし者容れし御堂の色玻璃昏し 異本『橙黄』 この歌は、妙子が娘さん達の通っておられたミッションス…
葛原妙子の第一歌集『橙黄』にはイヴのことを詠った次のような短歌がある。禁斷の木の實をもぎしをとめありしらしら神の世の記憶にて イヴといふをとめのありしことすらや記憶にうすれゆくこのごろか ところが、その後妙子自身の手で大幅に改変されたという…
この夏、映画『スノーホワイト』を観た。映像的には、スノーホワイト役のクリステン・スチュワートと継母役のシャーリーズ・セロンの美の競演といった感じだったが、内容的にも、グリム童話の『白雪姫』をずっと現代的にしながら深みのあるものになっていた…
つづれさせ嵐の中で鳴いている鼓室の奥に充つるsei-on [ 鳴き声をインターネットで調べてみると、どうもクサヒバリの鳴き声に似ているようだ。 かすかな音で鉦叩きも混じっているな、庭の虫の音。くさひばり嵐の中で鳴いている鼓室の奥に充つるsei-onう〜ん…
拡散希望と言うことなので掲載します。 【大拡散希望】福島の甲状腺検査は自分の子どもの結果を知るのに県に「情報開示請求」を出さなければならない。 これは開いた口がふさがりません。 福島県立医大による子どもの甲状腺検査は、健康診査ではなく、研究論…
歌人の松村由利子さんのブログで風鈴に纏わる素敵な句が紹介されていたので、 私も、昔作った風鈴の俳句を一つ。 鳴り渡る秋の風鈴 路地静か
置いてきた 牛たちの瞳に 花てまり いらくさ牛飼いが 牛の眼の中に 居られない そういう村に なりましたので いらくさ まなこくろぐろいっとうのうしたちており うしかうひとのときのしじまに眼黒々一頭の牛立ちてをり牛飼ふ人の時の静寂に ほうたる来by い…
花合歓の眠れる如く立ちてをり無力の淵に佇つといふこと立ちてをり大斎原の大鳥居大洪水の記憶むなしくまなこ しじま 眼黒々一頭の牛立ちてをり牛飼ふ人の時の静寂にふふまれぬままに落ちたる赤き実の枝に無きまま林檎は立てり ベル 鳴るはずのWedding bell…
帯に、施主の内田樹さんが建築家の光嶋裕介さんのことを「救国のために出現した青年」とまで書いている。「救国」とはまた凄いと思って読み始めたのだが、読むにつれて、そうかも知れないと思い始めた。 以下、本書からの引用。 ひと昔前は1本1万円だったも…
立ちてをり 大斎原の大鳥居大洪水の記憶むなしく 大斎原(おおゆのはら)には元々熊野本宮大社が建っていたのだが、100年ほど前の洪水で山の上に移された。100年前の大洪水の頃は、林業が盛んに行われ、山の木が大きく伐採された時代だったようだ。今は、こ…
うちの野良猫である猫祐に近づくときには、「ミャー」と声をかけながら近づいていく。だけど、猫祐は一声も発せず、そのうち、のっそりと起き上がってどこかへ行ってしまう。何だか、「ミャーって何よ?どういう意味よ?ミャーとか言われても分かんねぇーか…
吸盤でピタリ玻璃戸にはりついて守り呉るるか守宮の子ども この家に来て、初めて守宮というものを見た。 目がクリクリで、何てかわいいのだろうと思った。足の吸盤がまたかわいい。 今回初めて写真を撮ることに成功した。ぼやけてるけど。
ドミニック・ローホーさんの『シンプルに暮らす』を読んで、簡単なおかずを多めに作って少量ずつ何回かに分けて戴くようにしてみた。もう夏も終わりだけれど、この夏に作ってみたものを載せてみよう。 先ず、1日目の夕食、作ったばかりの煮豚にスライスした…
キュウリとキャベツとワカメの酢の物も多めに作って。 [[[ 挽肉のすき焼き風炒め(挽肉200gに玉ねぎ4コ)も多めに作って。 ある時は炊きたてご飯の上に乗っけて、ある時は豆皿に少量よそって・・。 酢の物を作るのに地元のこんな寿司酢が便利。 那智勝浦町天…
茶粥というのは、私にとっては祖母の味。 母は茶粥を作らなかったから、祖母が亡くなってからは食べなくなっていた。結婚したばかりの夏、さらさらとした冷たい茶粥を食べたくて作ってみたが、全く上手くいかなかった。故郷に帰ってきて、今年、茶粥を毎日の…