風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

葛原妙子40

十字架を詠ったものに比べて復活を詠った歌は葛原妙子の短歌の中には少ないように思うが、次のような一首は復活を暗示していると思われる。盆地に雲充つるけはひ暗黒の葡萄液美しきシャムパンとなるべく『葡萄木立』 葡萄の粒、及び葡萄液を、青、黄緑、みど…

二番目に言いたいことしか(星野富弘=詩)

二番目に言いたいことしか 人には言えない 一番言いたいことが 言えないもどかしさに耐えられないから 絵を書くのかも知れない うたをうたうのかも知れない それが言えるような気がして 人が恋しいのかも知れない 星野富弘『風の旅』(立風書房)より これま…

夢の通ひ路

沖仲仕積みかへす荷の春の夢漕ぎ出だす夢の通ひ路春満月ある時、夢から覚めると「沖仲仕」という言葉が頭に浮かんでいた。 それで、こんな句を作った。 夢の国で、沖仲仕がせっせと夢を積み替えている。冬の夢から春の夢に。 「急がなくては!もう、春の満月…

わが室内にたふれゐる

午後三時わが室内にたふれゐる柱の影を人はまたぎぬ 葛原妙子『をがたま』時はもう昼の十二時ごろであったが、太陽は光を失い、全地は暗くなって、三時に及んだ。そして聖所の幕がまん中から裂けた。そのとき、イエスは声高く叫んで言われた、「父よ、わたし…

春の句、二つ

まろき息吐きて吸ひたる春の宵 標の樹見つけて駈け寄る春月夜「標の樹」は「光声日記*徒然なるままに俳句にて日常を詠む*」さんの句を本歌として ↓ http://d.hatena.ne.jp/kousei-51/20130206/p2

どんな時にもっとも悲しいと思うだろうか

どんな時にもっとも悲しいと思うだろうか、と考えた。すると、目の前で悲しんでいる、苦しんでいる人を慰めることが出来ない時に自分はもっとも悲しみを覚えるのだ、と思った。 こちらに帰って来て二年目に、鬱で教会員が自殺した。病気で礼拝に出られないこ…

ゲッセマネの夜

涙を流すには明るすぎるから電気はつけないでおこう 夕闇の流涕も無き悲しみにわれはふれえずふるる手もたず イエスはひどく恐れてもだえ始め、彼らに言われた。「わたしは死ぬばかりに悲しい。・・」(マルコ14:33~34)

春ともし

春ともし闇より浮かび来たるものユダは、一隊の兵士と、祭司長たちやファリサイ派の人々の遣わした下役たちを引き連れて、そこにやって来た。松明やともし火や武器を手にしていた。(ヨハネによる福音書18:3)

春の鶏(とり)啼く

かたはらにかたはらにゐるそれだけの君を哀しむ人のこころよかたはらにかたはらにゐるそれだけの君を捨て去る春の鶏啼く そのとき、ペトロは呪いの言葉さえ口にしながら、「そんな人は知らない」と誓い始めた。するとすぐ、鶏が鳴いた。(マタイによる福音書…

ユダについての物思いー(葛原妙子の短歌とキリスト教で)

ユダについて書いた「葛原妙子38」を読んだ若いキリスト者からこんな疑問を投げかけられた。 神様はどうしてユダにこんな辛い務めを負わせるような形で私たちの罪の贖いをされたのか? キリストのユダへの憐れみは分かる。けれど、それならもっと違うやり…

葛原妙子39

葛原妙子の最終歌集『をがたま』の中には次のような短歌が収められている。十萬円のイコンを眺め立ちてゐるわれをみつむるイエス・キリスト『をがたま』 この短歌の前には次のような説明書きが置かれている。イコン=ギリシア正教会で崇拝する美しい板絵彩色…

水野源三第一詩集『わが恵み汝に足れり』(アシュラム・センター)

主よなぜ 主よなぜそんなことをなされるのですか 私はそのことがわかりません 心には悲しみがみちています 主よどうぞこのことをわからせたまえ水野源三=作『わが恵み汝に足れり』より

「私の中に」矢口以文=作『詩集イエス』より

私の中に先祖たちの 後ろめたさが うずたかく 積もっているーーそれに 自分のも 加えて そっくり 引き継ぐーー 子供たちの中にーーいつかそれが 子孫の誰かの中で 風に吹かれて突然 乱舞するのを恐れながらーー 矢口以文=作『詩集イエス』(日本基督教団出…

金原まさ子『句集カルナヴァル』(草思社)

金原まさ子さんの句集『カルナヴァル』のそれぞれの章の初めには写真のような扉絵と言葉が記されている。つくづくおしゃれな句集だと思う。Ⅳ章の扉に記されている言葉は、「いい人は天国へ行けるし わるい人はどこへでも行ける」である。この章には54句収…

葛原妙子38

使徒長き人差指に示したる羊なりしや葡萄なりしや『鷹の井戸』この歌の使徒は、イスカリオテのユダだろうかと何とはなしに思った。それで、イエスを捕らえようとして来たときにユダがイエスを指さしたと書かれている聖書の箇所があるかどうか調べてみた。が…

朧(おぼろ)の夜

ほろ酔うてみる泣いてみる昔居た太平洋の原酒の好きな人真似てほろ酔うてみる泣いてみる春呼ぶ雨のぽろぽろと声たつる夜はほろ酔うてみる泣いてみる城址にルリタテハ舞ふおぼろの夜は 旅から帰って二日経ってようやく頭がはっきりしてきた。 酔い止めの薬で…

桜は闇に

身の内に果てなき空をかかへゐて桜は闇に花咲かせをり

夕灯し

[同じような写真を2枚撮って、一枚はくっきり撮れて、上手く撮れたと思ったのに、見ていると、ぼんやりしている方の写真の方が心にしっくり来て、良い写真のように思えてくる。不思議だな。

夕桜

夕桜刻のあはひに咲き満てり

百千鳥(ももちどり)ーチャップマン邸

荒れ果てしチャップマン邸百千鳥 チャップマン邸は西村伊作の建てた宣教師のための住まい。この建物の裏には山があるので鳥たちのねぐらになっているようだ。夜にはフクロウの鳴く声も耳にする。買い物の帰りにゆるい坂を下りてくると、鳥の鳴き声が賑やかだ…

富士は春

ひろごれる空はみづいろ富士は春乗り物に弱いので、子どもの頃から旅行というものがほとんど好きになれなかった。 毎日たらたらと同じ暮らしを繰り返しながら、住み慣れた家の中で過ごすのが好きだ。 やむを得ず出かけなくてはならない時は、酔い止めの薬を…

3・11ー自律神経失調

爆発 ここは水中それとも空 金魚炎上す 自律神経をやられているので、睡眠障害の気がある。子どもの頃からすぐには寝付けない方だったが、この頃は中途覚醒して、それから眠れないということが時折ある。眠ることが好きなのに眠れない、ぐっすり眠って起きた…

『ビブリア古書堂の事件手帖4』ー2011年3月11日

真昼の古書に埋もるる春の幻古書堂の闇深く春の入り日射す夕映えて積まるる古書の影おぼろ春夕べ ビブリア古書堂店仕舞ひ 大き地震(なゐ)ありていちめん春の古書 閉店間際の夕方に余震が起こった。 ・ 東日本が大規模な震災に見舞われてから二十日あまり、…

今朝の新聞の余録が

今朝の新聞の余録が面白かった。健康な人間は、自己評価でも平均的他人より優れているというポジティブな錯覚を抱きながら暮らしているという。この「優越の錯覚」をめぐる脳のメカニズムを最近日本の研究チームが解明したらしい。その研究によると、自己評…

春の潮ー2011年3月初旬

海遠く春の潮満ち来る兆し 2011年3月初旬、妙に暖かくて汗ばむくらいだった。 それで私はこんな句を作ったのだった。 ブログに載せようとしていると、大地震が起こった。 その後、津波を連想させそうで、載せられなかった。 母が、良く、冬にあまり暖かいと…

オスプレイ和歌山、四国上空で低空飛行訓練

今朝の新聞の一面に、「・・オスプレイの低空飛行訓練について、和歌山県や高知県などを通過する『オレンジルート』で行うと通告した。米軍は4日に九州の『イエロールート』で行うと通告していたが、わずか1日で変更された。」、とあった。『オレンジルート…

生まれ変わったら

キリスト教徒がこんなことを言うのも何なんだけど、生まれ変わったら建築士になりたい。欠損家庭に育ったせいか、小さい時から将来自分が住むための家の間取り図を考えるのが好きだった。理想的な夢の間取り図。 結婚後、二度引っ越しをして今は三つ目の家に…

菱餅に見立てた甘納豆のケーキ雛祭りバージョン

薄力粉200g、ベーキングパウダー5g、抹茶小さじ2杯、砂糖50g、甘納豆100~200g、バター50g(溶かす)、米油150ml、牛乳200ml天板にクッキングシートを敷いて、混ぜた材料を薄く流し入れ、オーブンで焼く。ガスオーブンで160〜180度で30分程。 meromeropy77.ha…

桃の節句

ゴッホ描きしやうなる花が目の前に

選挙前ポスターと日本医師会のTPP交渉参加判断に対する意見