チャップマン邸は西村伊作の建てた宣教師のための住まい。この建物の裏には山があるので鳥たちのねぐらになっているようだ。夜にはフクロウの鳴く声も耳にする。買い物の帰りにゆるい坂を下りてくると、鳥の鳴き声が賑やかだった。
酔い止めの薬を飲むと眠くてしょうがない。周りに誰も座っていないと電車の中でもふいふいと眠り、乗り換えの時は夢遊病者の如く移動する。薬が効きすぎるのかも知れないが、帰って来てもしばらくふわふわとしている。薬がまだ抜けきっていないように思える。睡眠薬に使ったら良く眠れるだろうと思うが、こんなものを常用していると体がボロボロになるような気がする。
金原まさ子句集『カルナヴァル』(草思社)より、一句。
鶴帰るとき置いてゆきハルシオン
うつせみの世は夢にすぎず
死とあらがいうるものはなし(ヴィヨン「遺言詩集」)
死ぬときは眠り薬は必要ないということだな。確かに、全て置いてゆく。