2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧
私の歌作りは、一昨年の友の死から始まった。十代を共に走りし友が逝く夏の光と風連れて逝く 死のこと等語り合いにし友逝きて十代の夏はるかに遠し君の乗る銀河鉄道琴座過ぎ苹果のかをりただよひてをり ここからは一緒にゆけぬサザンクロスひとりひとりの旅…
友が亡くなったと知らせを受けた翌日、せめて今日一日は友のことを考えていたいと思った。すると、いつの間にか短歌を作ろうとしていた。俳句は作ることができなかった。それから、友の歌を作り続けて、ある時ふと俳句に変わった。 友逝きて友の泣きたる風の…
旗をあげ 夏色の風今日も待つ 朝風に旗をあげ、少女は、亡くなった船乗りの父を待つ。 それは、失われたやさしさへの憧憬。 光る海に かすむ船は さよならの汽笛 のこします ゆるい坂を おりてゆけば 夏色の風に あえるかしら わたしの愛 それはメロディー …
芙蓉の花が咲き始めた。 八月の終わりの夕明かりの時が、好きだ。母の死を何にたとへむ 花ふよう丸くしぼみて ほとりと落ちぬ妙なる 夕明かり満つ ふとしも 花ふよう落つ またひとつ落つ
話しながらことりと眠るやうに母逝きけりといふ夕明かり満ち幼時より死を恐れゐる一人娘に母の遺しし静けき夕べ 人生もそろそろ終わりに近づいて、自分はいったい何を残せるのだろうかと、この頃時折考える。
鷺草(サギソウ)を託して母の手術前 病む母の枕辺に置く日日草(ニチニチソウ) 擬宝珠(ギボウシ)の蕾ふくらむ母の留守 病葉(わくらば)に降り止まぬ雨 濡れタオル じりじりと虫鳴く闇に老いの母 無口なる叔父の優しさ 晩夏光(ばんかこう) 付き添へる…
灯り消して夕顔の香にしばし佇つ ゆふがほの白を纏ひて夢に入る ゆふがほのひらきて満つる夜の闇
緑濃き蜩の路走りゆく[
海の蒼 海馬に留め夏帽子 北海道に居た頃は毎年のように積丹半島へ海を見に行った。 神威岬の突端は三方を海に囲まれ、茫洋としたブルー。 小さなトンネルをくぐり抜けて行く積丹岬の方は透明な碧。 どちらもカモメが飛ぶ美しい海だ。けれど、美しい海の傍に…
火の滝の最後のしずく夏終わる
洗はるる海の小石や盆の月
天上へつづく扉か昼の月 俳句の世界では立秋を過ぎれば秋となる。月は秋の季語だ。 けれど、この句はあまり秋を意識してはいない。写真も、7月(まだ夏の頃)に友人が撮って送ってくれたものだ。昼の月の天上的な美しさを表したかった。
八月の影 延々と今に伸ぶ福島県在住のいらくささんブログ「てらやまへメール」も合わせてご覧下さい。http://terayamahe.seesaa.net/article/217847774.htmlセシウムと 花の名のごと 言う夏よ いらくさ 「てらやまへメール」より「リンゴペクチンがセシウム…