旗をあげ 夏色の風今日も待つ
朝風に旗をあげ、少女は、亡くなった船乗りの父を待つ。
それは、失われたやさしさへの憧憬。
光る海に かすむ船は
さよならの汽笛 のこします
ゆるい坂を おりてゆけば
夏色の風に あえるかしら
わたしの愛 それはメロディー
たかく ひくく 歌うの
わたしの愛 それはカモメ
たかく ひくく 飛ぶの
夕陽のなか 呼んでみたら
やさしいあなたに 逢えるかしら(万里村ゆき子=詞『さよならの夏』より)
エンディングを聞きながらひたすら泣いた。死んでいった友を思って。
八月の夕暮れの時 風の中に一人となりて涙する時
人は一人になって涙を流す時を持たねばならない。