風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

3・11ー自律神経失調

      爆発
ここは水中それとも空 金魚炎上す

自律神経をやられているので、睡眠障害の気がある。子どもの頃からすぐには寝付けない方だったが、この頃は中途覚醒して、それから眠れないということが時折ある。眠ることが好きなのに眠れない、ぐっすり眠って起きた時に限って頭痛がする等、良い睡眠をとっているようにはとても思えない。
そんなことで上句も、12時に寝て、夜中の2時に目が覚めた時に夢の中から現れて、その後眠れないままメモをとり、布団の中で推敲を重ねていたものだ。

春、夜更け夢より生れし短詩かな
教員となって一年目の年、担当していた学年の主任教師が自律神経失調症だということで、授業のない午後は早退することが多かった。学年打ち合わせの時もほとんど居なくて、もう一人の先輩教師と二人で「困ったもんだ」とぼやいていた。
結婚によって退職し、子どもが生まれ、重いアトピーだと分かって、授乳中に無謀な除去食をした。それに伴う短期間の激しい体重変動で体調を崩した。自律神経失調状態だ。年中肩こりと頭痛に悩まされ、寒気がして頭痛が酷くなれば吐く。といって、熱を計っても平熱と変わりない。吐くまでいかなければ周りには自己申告しない限り具合が悪いことは分かってもらえない。その時に、あの頃の主任教師のことを思い出した。同性からも理解されなかった主任教師のことを・・。
あの頃は同じ体験をしていなかったから同性であってもこんな苦しさを理解することが出来なかったのだ、と思った。けれど今では、同じ体験をしても本当には理解してはいないだろうと思う。
同じ体験をしても、苦しみも悲しみも痛みもそれぞれに違うかも知れない、と。けれど・・。

それにしてもどうしてこんな俳句が生まれてきたのだろう?季語はどうやら「金魚」で夏のようだ。思い当たるのは、無意識の中に葛原妙子の短歌があったからということと、その日の昼間、金魚を捕らえようとしている猫の動画をどこかで目にしたせいかも知れないということだけだ。

老猫が日々に捕ふるわが池の小さき赤き金魚に聲なし 葛原妙子『朱靈』