風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

紫蘭(シラン)

香り無く水も濁さず透明の硝子の瓶に紫蘭咲きゐる

昔うちにあった芍薬でも山茶花でもほのかに香りがして、色は白。そこが好きだった。ところがこの紫蘭という花は香りもなく、私があまり好きではない色を持っているのだが、こんなふうに硝子の花瓶の中で咲いている姿は本当に美しいと思う。キク科の花などは花瓶に入れていると水が濁って来るように思うが、中には水を浄化する植物というものもあるのだろう。桜の花が終わって緑が濃くなる頃に、まるで静けさを運んで来てくれたようだ。

[[[[[[