風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

短歌らしきもの

クリスマス飾りの家を

クリスマスツリーのように活けられて千両の実も降誕を待つ 明日はクリスマスの日曜日。 ポリポット鉢に入ったポインセチアの苗を活かして、そのまま花瓶に入れて、周りに千両を活けてある。面白い生け方だなぁと思う。ここに帰って来た初めの頃、千両だけを…

生きて露さへ

もみぢいよいよ燃えて一切まにあはぬ我のひと日を笑ふうつくし 馬場あき子『渾沌の鬱』 https://sunagoya.com/tanka/?p=19563 結句でふいに置かれる「うつくし」で、歌は主体の主観に集約される。燃えるような紅葉のありようや「一切」の語感、間に合わない…

自己中心的とか利己的とか・・

さざんくわの咲く家、槇の実の生る家・・・・人は愛さうとこころみながら いわゆる自己中、自己中心的であるとか利己的というのは、キリスト教においては大いなる罪だと言えるだろう。キリスト教は、共に生きるようとする宗教だからだ。 利己的な生き方というの…

百年の孤独蔵して・・

百年の孤独蔵して蟻の道 「コリアンダーは昔つくつていましたよねぇ」それほど昔と思わないまま いやぁもう30ねんはゆうに過ぎたヤブカラシの蔓たぐりよせつつ せんねんはいちにちのよういちにちはせんねんのよう夢のまた夢 バビロニアは確か神に用いられ・…

『聴く』6月号

〈 本の紹介 〉 黒川創=作『暗殺者たち』(新潮社) 彼にあって、二つのものをひとりの新しい人に造りかえて平和をきたらせ・・。 (エペソ人への手紙2:15)

原発はいらない!空に鯉のぼり

さみどりの中に何やら蟠る青きものありさみだれの朝 わだかまる青きものをば拾い上げさみどりのなか泳がせてみる 大風の中を夜の間に泳ぎきて不時着したり緑の海に 時ならぬ嵐と呼ばるる夜がある世界が明るく輝く五月に メイ・ストームという言葉があるらしい…

この牡丹は主に用いられたぼうたん

長く教会を支えてこられた長老・執事のご夫妻が息子さんのご家族の住む地へと旅立たれる朝、牡丹が花を咲かせた。牧師館を建て直して新しく花壇を造った時、奥にミルトスを一本植え、他はこの長老にお任せした。 私が植えたミルトスは、その夏、花を咲かせた…

牡丹(ぼうたん)ひらく

「写真にとって見せてください」旅立ちの朝ふたつめのぼうたんひらく

イースター・エッグの中の春光

「見えるけど触れないのね」卵型とうめいケースの中の春光 今井恵子『渇水期』 イエスは彼女に「マリヤよ」と言われた。マリヤはふり返って、イエスにむかってヘブル語で「ラボニ」と言った。それは、先生という意味である。イエスは彼女に言われた、「わた…

淡々(あはあは)と

まっしろな豆腐を水に放ちたり娘が家を出ていった朝 今井恵子『渇水期』 Amazonのレヴューで紹介されたこの歌を見た時、「豆腐の白」が胸に沁み入るようだった。 そして、この歌集をどうしても手元に欲しいと思った。 『渇水期』の最初に措かれた一首だ。そ…

「免許は取らんできたもんだから・・」

玄関あけると鳥が飛び去り猫が跳び去り冬日向 橋渡り籠に野菜を入れて来つ「免許は取らんできたもんだから・・」 野菜売りのおじいさんは三輪車で大橋を渡ってやってきた。間に合っていると言うのに夫は行き大根と葱買って持ち来る先はわたしが追いかけて行…

椎名麟三 ー 彼の軌跡

愛したと言えるだろうか文字の中に入り込み共に生きた人をば 踏んでゆく 乳房に喰らひわが生の母体となしし彼の軌跡を 『邂逅』といふ名前持つ小説を読みたし冬のはじまりの朝この離人状態は神経症としてだけでなく、分裂病の初期やうつ病の場合にも一過性に…

カルシウム拮抗薬とグレープフルーツとシトクロムP450

● ヘム代謝系関連酵素の構造生物学的研究 CPRとHO-1の相互作用解析結果は,HO-1単体ではCPRと相互作用できないことを示しており,これはHO-1単体での揺らぎに関係すると考えられる.すなわち,この構造揺らぎは単純に誘導適合的な酵素と基質の認識というだけ…

冬の匂ひ

懐かしき冬の匂ひや夕厨 この時の匂いは大根。二階から降りて行くと自分の作った夕餉の匂いが立ちこめていたのだった。 私は冬の台所で煮炊きされた大根の匂いが大好きだ。また、季節が巡ってきたと思う。写真は、白菜。使って使って小さくなったのが、まだ…

目覚まし

英会話が煩すぎて、ラジオのタイマーを3分程ずらしてセットし直した。するとイタリア語が始まったと思ったらラジオが切れる。前にフランス語のラジオ講座を聞いていたことがあったけど、今では何を言っているのかちんぷんかんぷんで、けたたましくはないのだ…

命懸けの、だけど、死にそうな時は足の塵を払い落として出ていくのも一つの方法かも知れない

この男よくよく話を聞いてみれば理屈は通っているのだが 「脳の一部分ばかりを使い続けていると血圧が高くなる」、「文章を書いたり等、思考をアウトプットするための知的作業が続くと血圧が高くなる」というようなことを書いたものをどこかで目にした。逆に…

曲りくねつた旧き道へと

一瓶に終はりゆくもの咲けるものつぼみのものを集めて活けり 会堂に花を活けられる方がちょっと活けられない状況にあって、技術は到底及ばないのだけれど、代わりに活けさせて頂いた。 前日の夜に活けたのが、下。 娘に見て貰うと、「○○さんは会堂に活けるの…

ブロプレスと利尿薬と「ヘンレのわな」(『目でみるからだのメカニズム』)と電解質

ヘンレのわなのわなとは罠か輪の何かなのか 塩の加減をかんがえあぐむ以下の内容は私の思考過程のものであり、間違いが含まれているかも知れません。 また、立ち読みで得た情報が混ざっているので、参考書籍を詳しく提示することが出来ません。「一口に体内…

十字と成り得ず

真夜中に寝ていることに飽きてしまつてどくだみのうつくしきこと庭作りをしようとすると思うようにならなくてストレスになる。 冬の間に消石灰をまいてしっかり寝かせたはずの所に移植したタイムが枯れてしまって、夜中に目を覚ましては、朝になったら消石灰…

雨上がりの朝の花菖蒲と、スマホの中の螢

スマホに写る翠の点を拡大す 点はみっつとなりて、ほ・た・るこのところ、「螢、螢(を見に行きたい)」と騒いでいた娘が、知人に案内して戴いて螢を見てきた。スマホで撮った写真を見せて貰うと、小さなミドリ色の点が一つ見える。それを拡大すると、3つの…

花と歌

午後の陽の落ちゆく前の明るさに花びら淡く光となりぬ昨年、長老の植えた花菖蒲が次々と花を咲かせている。 淡い紫の花菖蒲は私も大好きな花だ。昔、母も裏庭に植えていた。 刈りし草積みて走らす山の辺の野いばら忍冬ほととぎすの音忍冬は、スイカズラのこ…

死と生ー宗教改革者ルターから学ぶ

夢の中で行ったとこから帰るとこもうすぐさめるさめたら帰る 昨日の午後は、地区の合同研修会でお呼びした先生から、「死と生ー宗教改革者ルターから学ぶ」という題でお話をお聞きした。ルターは非常に死を恐れた人だったそうだが、死の中に、神の怒りと罪に…

花の多い季節

羽化したるばかりの翅を伸ばすごと花菖蒲開(さ)く朝の光に 右はかきつばた。もしかしたらアヤメかも知れない。長老はカキツバタを植えたと言っておられたが?絣のような花びらで初めて見るような花だ。金曜、土曜と咲いた一番花が日曜にはすぼんで、今朝二…

レンテンローズ、カチンと種を落としをり

レンテンローズ、カチンと種を落としをり三年先を夢想してをり 鉢植えのレンテンローズの世話をして毎年花を咲かせていた長老の具合が悪く臥せっておられるので、代わりに、株を弱らせないように花を切り落としたのだが、捨てるに忍びないので飾ることにした…

夏蜜柑と牛乳

いただいた夏蜜柑を剥こう今日は私の一日の達成課題のなんとたわいの無いことだろう。昔は、すっぱいすっぱい夏蜜柑があった。隣近所からのお裾分けで貰った夏蜜柑は本当にすっぱかった。祖父の家には実のなる木は植わっていなかった。祖母が剥いておいてく…

日本語(ことば)等とうの昔に死んでいる

ホトトギス山を拓きて建つ病院数多なる研修医をり蛙鳴く鳥帰る如く主治医も帰りゆくおとなへば病棟巡りつばめ飛ぶ黒き背を見せて燕の低く飛ぶ白き胸見せて燕の飛び過ぎぬこうして地方は切り捨てられていく。 日本(ことば)等とうの昔に死んでいるこの政権を…

骨(こつ)の音ひびく

昨日の砂子屋書房の「一首鑑賞 日々のクオリア」で、散る桜の花に骨の音を聴いているというような短歌が紹介されていた。それで、前に、落花に骨の音を聞くという短歌擬きを作ってブログに載せたことを思い出して探した。私は、自分の作った俳句擬きも短歌擬…

春待ち色の

君と分かてり春の孤独を

歌ってる声をわたしは聴いている 君と分かてり春の孤独を 治りかけというのはとても大切な時期です。…。保護室から出てみんなのなかで生活をしはじめたときの患者さんはーこのことは忘れられがちなのですがー非常にさびしい。…。ただし、そのときのさびしさ…

夜からの雨

ああ雨がふっていたのだこんなにもなつかしきかないとはしきかな 雪の多い北海道から雨の多い故郷へと帰ってきた頃の短歌擬き。