風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

この牡丹は主に用いられたぼうたん

長く教会を支えてこられた長老・執事のご夫妻が息子さんのご家族の住む地へと旅立たれる朝、牡丹が花を咲かせた。

牧師館を建て直して新しく花壇を造った時、奥にミルトスを一本植え、他はこの長老にお任せした。
私が植えたミルトスは、その夏、花を咲かせた後、枯れてしまった。
その後に長老が牡丹を植えられた。その牡丹も昨年は虫に新芽を囓られ、花を咲かせなかった。秋から冬にかけて葉も枯れてただの棒杭のようになっていたのが、この春、芽を吹き出して蕾をつけた。そして、長老が息子さんの所へ行かれるという朝、二つ目の花を咲かせた。

思えば、私が植えたミルトスが枯れたのも、主の御心であった。
そして昨年、虫に囓られて牡丹が花を咲かせなかったのも主の御心であった、と思う。
病院で「牡丹が二つ蕾をつけています」とお伝えした後、長老は、新しい土地での生活を思い描き始められた。去年花を咲かせなかった牡丹が今年蕾を二つつけた、そのことが、長老を励ましたのだ。
新しく生まれた牡丹が長老を支えた。そして旅立ちの朝に、花をひらかせた。まるで、「私も見送る」とでも言うように・・。

もちろん私は花の意思を尊重して、デジカメで撮って、旅立ちの朝、長老にお見せした。

この牡丹は、主によって用いられた花なのだ。

このぼたん主に用いられこのぼたん新生(よみがえ)りて花開かせし

ぼうたんを切りて活くれば真昼間の暗きに紅は浮き上がりたる

大輪の牡丹も夜は眠りにつくれんげのはなの目閉づるやうに
                  すぼんだとおもったらいつのまにか〜


まだ眠っている。もうすぐ起きるかな?
芍薬も、花によって香りのあるものとないものが、ある。昔うちにあった芍薬は、赤いのは香りがなく、白の方が香りを放っていた。
この牡丹は良い香りがする。ゲラニオールとか含んでいるのかな?薔薇のような香りだ。「バラ科だからだ薔薇のような香りがするんだ」と思っていたら、牡丹はボタン科だった。

今は百合がぐんぐん伸びてきている。