こんな歌を作った。
夢に見き 誠之介が傘下に微笑みてのちゆっくり消えた
ここは、完了の「ぬ」を使うべきなのかも知れない。でも、カ行の切れの良さが欲しかったので「見き」とした。誠之介は明治44年に処刑された人物なので、その人物が夢から消えると同時に今の時代にワープするような感じを出したくて、最後は「消えた」とすることにした。
けれど一首の中で古語と現代語を交ぜて使うのは良くないと聞く。本物の歌人なら実験的な創作も許されるかもしれないが、素人がこの歌を投稿などすれば、間違って使っていると思われそうだ。
実際、この歌は投稿して採っていただけなかった。と言っても、五首のうち載せてもらったのは一首だけだったので、この歌だけがだめだったという訳でもなさそうだが。
この歌はその後こんなふうに変えた。
夢に見き 誠之介が番傘に微笑みてのちゆっくり消えた
それでもやはり助動詞は変えなかった。