風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

古語で1

文語にて歌を詠みゐてふと思ふ むかしびととの深き断絶

昔の言葉で歌を作りながら、もうほとんど、これは私たちの言葉とは全く違うと思うことがある。
難しさは色々あるが、一番難しいと思うのは、過去の助動詞「き」ではないかと思う。何か馴染んでいて頻繁に軽く使ってしまうのだが、間違って使っていることが多いような気がする。一番多いのが、完了の助動詞「たり」や「り」を使うべき所で使ってしまうという場合だ。けれど、この完了というのが、そもそも難しいのだ。その上、この完了には継続も含まれている。又、この過去の助動詞「き」は、自らが直接体験したことに使うのだという。人から聞いたことなどは「けり」を使って表すらしい。その辺の使い分けもできていない気がする。
と言って、口語で歌を作ってみても、何かうわすべりになってしまって、心の中の深いところは言い表せない気がする。それでやはり古い言葉を使うことになるのだが・・。

痺れゐる足引き摺りて転びける母をひとりに置きしわが悔い