風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

2011-01-01から1年間の記事一覧

一篭の

ひとかごの花野にゆふべ遊びけり 花野(はなの)は、秋の季語。 様々な秋の草花の野原。 写真は、朝顔、チェリーセージ、こむらさき、小みかん草。 小みかん草は日が翳ると葉を閉じる。葉の裏側に実。葉の先っぽには小さな小さな花が咲いていた。茎の下側か…

聖書研究(マルコ3:28〜29)

9月の聖書研究の聖書の言葉はマルコによる福音書3章28節、29節だった。 はっきり言っておく。人の子らが犯す罪やどんな冒瀆の言葉も、すべて赦される。しかし、聖霊を冒瀆する者は永遠に赦されず、永遠に罪の責めを負う。(新共同訳)よく言い聞かせて…

鬱病

病む人の心の悲鳴響かせて非通知電話鳴る午前4時 神の道説く人もまた心病み呻吟しをり この時代には 周りで鬱病になったという人がこのところ増えている。 教会員の中にも、牧師の中にも居る。 どんな中にあっても人生を支え得る信仰というのは、どういうも…

原発と地球温暖化とゴミ問題

じやぐじやぐと牛乳パツク切り開く 愛はここにありやなしやと[広瀬立成=著『物理学者、ゴミと闘う』(講談社新書)、この本は娘の大学入試の課題図書としてあげられていたものだ。娘はこの本を選んで感想文を提出し面接に臨んだのだった。その折りゴミ問題…

『31文字のなかの科学』

本を紹介したい。松村由利子=著『31文字のなかの科学』(NTT出版) そして、この中の一つの短歌を松村さんの文章と共に紹介したい。 廃棄物処理して処理して処理して処理してそののちのことわれは訊かざる 大口玲子『ひたかみ』「放射性物質のなかには、…

寝待月(ねまちづき)

寝待月待つように待つ半減期 いらくさ 「てらやまへメール」より ↓ ほうたる来by いらくさ 私たちには待つことしか出来ないのだろうか。 もしそうなら、せめて寝て待つだけの希望は持ち続けたいと思う。 寝待月(ねまちづき)は秋の季語。陰暦8月19日の夜の…

王子のかなしみー『星の王子さま』

入り日見つめる王子のかなしみ 薔薇一輪 「きみが愛している花は、大丈夫だよ・・きみの羊に口輪を描いてあげる・・きみの花にはフェンスを描いてあげる・・ぼくは・・」その先、何を言えばいいのか、わかりませんでした。 どうすれば、王子さまの気もちにな…

酔芙蓉落つ

[ 雪国に住まひし日々は遠ざかる午睡の夢か 酔芙蓉落つ 味気なきパソコンの上(へ)に移りゆく芙蓉の花色 留め置きたし 酔芙蓉は、朝、白くひらき、夕方には赤く染まってしぼむ。 酔芙蓉という花は、ほんとうに夢のような花だと思う。 でも、今年は萎まない…

いなぃいなぃ、ばぁ

[ いなぃいなぃばぁ 月も友達吾子育つ子育て俳句を作り始めた頃に、師匠が短冊に書いて下さった句だ。 その時、同時に作った「お月様いっしょに遊ぼ いなぃいなぃばぁ」に ついては何も言っては下さらなかった。 月の出を見に海に行ったが、雲が多くてよく見…

法師蝉

おさなごにつくつくぼうし聞かせた日 どこまでも追って聞かせた法師蝉 すべてには終わりがあると法師蝉

ダム、放流せず

今回の台風ではダムが事前放流しなかったという。そして熊野川が氾濫したという。ダムの放流は発電のために水位を維持するもので、洪水を防ぐためのものではなく「事前放流しなくてはならない」という洪水時調整規定等もなかったという。 発電のために水位を…

小鳥来るー倒樹(とうじゅ)

小鳥来る一夜の風の倒樹かな 小鳥来て小鳥飛び立つ倒樹かな [[ 写真は一昨年の台風で倒れた月桂樹浅き根に香しき葉を繁らせて月桂樹倒る一夜の風に 月桂樹の一夜の風に倒れしも朝の葉叢に小鳥遊ばす 芳しき葉をつけたるまま横たはるを宥むるやうに添ひ寝やり…

夕の虹

[ 無力なる石のかけらよ大洪水 きりぎりす出来得ることは、これっぱかし 出水後(でみづあと)塔より眺む 人に虹 嘘っつき!虹出しといて神さまは こんな日は悲しく見える夕の虹 うつむきて水害後の泥流す人々の上(へ)に虹かかりをり「わたしは、あなたた…

虹はキリスト

十字架に頭(かしら)垂れたるキリストは鄢き木の葉のごとく掛かりぬ 葛原妙子 『縄文』宙空(ちゅうくう)の虹はキリスト 枝先に黙(もだ)してかかる木の葉の如き 役に立たないということ、無力だということに人は耐えることが出来ないと思う。 彼はしえた…

月の雫

小瓶掲げ月の雫を受けむとす

青き天鵞絨(びろうど)

私の歌作りは、一昨年の友の死から始まった。十代を共に走りし友が逝く夏の光と風連れて逝く 死のこと等語り合いにし友逝きて十代の夏はるかに遠し君の乗る銀河鉄道琴座過ぎ苹果のかをりただよひてをり ここからは一緒にゆけぬサザンクロスひとりひとりの旅…

友を送る

友が亡くなったと知らせを受けた翌日、せめて今日一日は友のことを考えていたいと思った。すると、いつの間にか短歌を作ろうとしていた。俳句は作ることができなかった。それから、友の歌を作り続けて、ある時ふと俳句に変わった。 友逝きて友の泣きたる風の…

映画『コクリコ坂から』

旗をあげ 夏色の風今日も待つ 朝風に旗をあげ、少女は、亡くなった船乗りの父を待つ。 それは、失われたやさしさへの憧憬。 光る海に かすむ船は さよならの汽笛 のこします ゆるい坂を おりてゆけば 夏色の風に あえるかしら わたしの愛 それはメロディー …

夕明かり満つ

芙蓉の花が咲き始めた。 八月の終わりの夕明かりの時が、好きだ。母の死を何にたとへむ 花ふよう丸くしぼみて ほとりと落ちぬ妙なる 夕明かり満つ ふとしも 花ふよう落つ またひとつ落つ

静けき夕べ

話しながらことりと眠るやうに母逝きけりといふ夕明かり満ち幼時より死を恐れゐる一人娘に母の遺しし静けき夕べ 人生もそろそろ終わりに近づいて、自分はいったい何を残せるのだろうかと、この頃時折考える。

病葉(わくらば)

鷺草(サギソウ)を託して母の手術前 病む母の枕辺に置く日日草(ニチニチソウ) 擬宝珠(ギボウシ)の蕾ふくらむ母の留守 病葉(わくらば)に降り止まぬ雨 濡れタオル じりじりと虫鳴く闇に老いの母 無口なる叔父の優しさ 晩夏光(ばんかこう) 付き添へる…

夕顔(ゆふがほ)

灯り消して夕顔の香にしばし佇つ ゆふがほの白を纏ひて夢に入る ゆふがほのひらきて満つる夜の闇

蜩(ひぐらし)の路

緑濃き蜩の路走りゆく[

夏帽子

海の蒼 海馬に留め夏帽子 北海道に居た頃は毎年のように積丹半島へ海を見に行った。 神威岬の突端は三方を海に囲まれ、茫洋としたブルー。 小さなトンネルをくぐり抜けて行く積丹岬の方は透明な碧。 どちらもカモメが飛ぶ美しい海だ。けれど、美しい海の傍に…

仕掛け花火

火の滝の最後のしずく夏終わる

盆の月

洗はるる海の小石や盆の月

昼の月

天上へつづく扉か昼の月 俳句の世界では立秋を過ぎれば秋となる。月は秋の季語だ。 けれど、この句はあまり秋を意識してはいない。写真も、7月(まだ夏の頃)に友人が撮って送ってくれたものだ。昼の月の天上的な美しさを表したかった。

八月の影

八月の影 延々と今に伸ぶ福島県在住のいらくささんブログ「てらやまへメール」も合わせてご覧下さい。http://terayamahe.seesaa.net/article/217847774.htmlセシウムと 花の名のごと 言う夏よ いらくさ 「てらやまへメール」より「リンゴペクチンがセシウム…

濡れた瞳(め)

HUKUSHIMAの泣いているかのような瞳が脳裡をよぎる黒く濡れて 福島県在住のいらくささんのブログ「てらやまへメール」を拝見していて生まれてきた歌だ。 http://terayamahe.seesaa.net/ 胸に沁みる歌や句がたくさんある。了承を得て以下に掲載させて頂く。 …

赤スグリ

すぐりジャム含めば北の夏木立 カリンズと北の人呼ぶ紅き実の光に透ける新樹の葉陰すぐりの実がようやく紅くなったと、札幌の友人が写真を撮って送ってくれた。 湿度の高い故郷の地に住んで、爽やかな北の地が恋しい私である。