風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

長老制の教会について池谷裕二=著『脳には妙なクセがある』から考える

キリスト教の教会を制度的な側面から見ると、「監督制」と「会衆制」と「長老制」の大きく三つに分かれる、という。

私は制度的なことには昔から興味も関心もなかったのだが、池谷裕二先生の本の、下に引用した部分を読んで、長老制というのも結構いいんじゃないかと思ったのだった。

 脳を研究していると、しばしば「科学的な発見とは何なのだろう」と考えさせられることがあります。緻密な実験によって得たデータを公開しても、「そんなことは古くから言われていることだ」という冷ややかな反応をもらうことがあるのです。
 …。しかし私は、どんなことでも科学実験によって裏付けされることの意味は少なからずあると考えています。
 コロンビア大学のスミス博士らが報告した論文もまさにそうした研究です。彼は「問題解決には議論し合うほうがよい」という、いわば当然の事実を、学術の作法に則り証明してみせたのです。
 実験では学生350人に対して問題を提示しています。当初の正解率は約50%でしたが、小グループ制でのディベート後には約70%に上昇しました。
 誰かが答を知っていれば、その正答が周囲に伝わりますから、この結果は当たり前にも感じられます。しかし、学生のディベートを丁寧に調査すると、答を誰も知らない状況でさえ、正解率が上昇することがわかったのです。つまり正答は、単純に伝播するだけでなくて、議論の中で新たに芽生えるわけです。
 面白いことに、議論を通じて正解に辿り着いた場合は、問題に対する理解も深まって、応用力が身につくため、類似した問題の正解率も上昇します。「話し合い」は、一方通行の授業とは異なり、より本質的な理解や解釈をもたらすのです。

 集団の効能という流れで、『効果的なリーダーシップ』というなんとも魅力的なタイトルのついた論文を紹介しましょう。ただしヒトではなく、動物のリーダーシップに関する研究です。
 群れをなす動物たちは、集団の進むべきルートをどう見定めるのでしょう。ミツバチや魚や鳥の一部では、「正しい知識を持ったリーダー」が少数いることが知られており、こうした優等個体が集団を牽引するようです。…。
 現在では、高速なコンピュータに個々の動物の行動癖を組み込むことで、集団行動のパターンを再現することができます。
 計算結果によれば、集団に占める「正しい知識を持った個体」の割合が増えるほど、群れは正しい進路を取ります。これは当然でしょう。しかし、意外なことに、…。
 さらに面白いことに、知識層のメンバーが正解にあまりに固執すると、集団は分裂崩壊してしまうことが示されました。リーダーは確固たる意図をあえて明示せずに、一見曖昧な行動をしたほうが、結果として集団を正しい方向に導くことができるようです。(池谷裕二=著『脳には妙なクセがある』(扶桑社新書)より)


教会の運営において、何を基に据えて決めるかといえば、「神はどのようにお考えか」ということである。しかし、神様がどのように考えておられるか等ということは言ってみれば誰にも解らないことなのだ。つまり正解を知っている者は誰もいないということである。答が分からない中で答を求めて進むべき方向を見出していかなければならない。
神の考えを聖書から読み取って伝える働きをするのは牧師の仕事である。けれど、これは神のお告げのようなものとは違う。牧師の務めは、具体的に起こってきた事柄に対して「神様はこう言っておられるからこうしなさい」、と命じることではない。牧師が負っているのは、神の考えを聴き取って常に説教を通して語る務めである。
それに対して、神の考えを聴き取って決断する務めを負っているのが、長老制の教会における長老達だ。実際に起こってきた問題について答を求めつつ、進むべき方向を決めるのが長老達の務めなのである。
牧師と長老の役割が分担されているのも良いと思う。私は長老制の教会以外知らないので、他の教会については解らないが、池谷先生の本を読んでいて、うちの教会の制度はなかなかいいもんだ、と思ったのだった。


● 『7月の賃金』と『8・30デモを振り返って』:『0904 再稼働反対!首相官邸前抗議』&『戦争法案に反対する金曜国会前抗議行動』
●SEALDsがリツイートしていたこの論考は面白かったです。『デモはある種の敗北(安保法案の成立)を前提としなければならない』というものです。ここで書かれている左翼の運動史とか興味深かったです。全然知らなかった。国会議事堂前の「敗北主義」 ?最後に笑うものが最もよく笑う・・戦後左翼史のなかの市民ナショナリズム | Football is the weapon of the future

と、いうことで、今週も官邸前+国会前のダブルヘッダーへ。
今日の参加者は主催者発表で1500人。天気が良い割には少なかったけど、ボクは他人には期待しません(笑)。311以前の反原発運動のことを考えれば、これでも凄く多いと思うし(笑)。今 最も大事なのはとにかく原発に反対する声を絶やさないことだと思うんです。(抜粋引用)
(写真は、SPYBOYさんの撮影されたものをお借りしました。記事の中には、もう一枚似たようなわんちゃんの写真のプラカードが載っています。リンク先で直接ご覧ください。)

昨日は途中で帰る予定だったので少し早めに行こうと思っていたのだけど、結局関電前に着いたら5時で、もう来ている方もいらした(笑)。家族が迎えに来てそのまま車で出かけるので、いつもの小さい方のプラカードを持っていったら、「どうして今日は、あの大きいの持って来なかったの?」と尋ねられて・・。だけど、川内原発はその後どうなっているのか?故障がどうの、出力を上げるのを延期したのどうのと言っていたようだけど、さっぱり分からん!(ミルトス)


● 楢葉町の避難指示解除 本格帰還に課題…病院やスーパー整備遅れ
 福島県楢葉町で4年半ぶりに、故郷への定住が許された。喜ぶ町民がいる一方で、医療機関やスーパーなど日常生活に欠かせない施設の整備は遅れている。放射性物質の影響への不安も拭えず、本格帰還に向けては課題が山積している。(抜粋)