風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

花芙蓉ー落ちざる庭


● 第917回 時を経ても変わらないものの本質

たへなる夕明かり満つ ふとしも花芙蓉落つ またひとつ落つ

この短歌擬きは、葛原妙子の次の二つの歌へのオマージュとして生まれた。

明るき昼のしじまにたれもゐず ふとしも玻璃の壺流涕す『葡萄木立』
      手品師
いでてゆくしづけさありて入りきたるしづけさありぬ ここはゆふぐれ『をがたま』



花芙蓉今年落ちざる庭となり

移りゆく光の中に妙なるものを我に見させし庭よ

味気なきパソコンのへに移りゆく芙蓉の花色とどめおきたし

雪国に住まひし日々は遠ざかる午睡の夢か 酔芙蓉落つ