風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

葛原妙子51

家の中が片付ききらないうちから、庭のことに手を出し始めてしまったので厄介なことになっている。庭というのは人を育てるのと差ほど変わらない手間がかかる。植物は生きているから・・。そんなことで時間が取られ、その上、陽にも当たり過ぎてふらふら眩暈も起こしたりしている。

さて、葛原妙子の最晩年の『をがたま』の中には、「葛原妙子50」でも取り上げた「いでてゆく〜」の歌の直前に、次の一首が置かれている。

神よわが右手を掩ふことなかれ 粗草を刈る 曇天を刈る『をがたま』
この歌からは次のような聖書の言葉が思い起こされる。
風向きを気にすれば種は蒔けない。雲行きを気にすれば刈り入れはできない(コヘレト11:4)
主はあなたを守る者、主はあなたの右の手をおおう陰である。昼は太陽があなたを撃つことなく、夜は月があなたを撃つことはない。主がすべての災いを遠ざけて あなたを見守り あなたの魂を見守ってくださるように(詩篇121:5〜7)
わたしは常にあなたと共にあり、あなたはわたしの右の手を保たれる
あなたがわたしの右の手を取ってくださるので 常にわたしは御もとにとどまることができる(詩篇73:23)

聖書の中で「右」というのは、権威、力、強さ、勝利等の象徴として用いられているようである。
あなたの右の手は勝利で満ちています。(詩編48:10)
勇士よ、腰に剣を帯びよ。それはあなたの栄えと輝き。輝きを帯びて進め 真実と謙虚と正義を駆って。右の手があなたに恐るべき力をもたらすように。(詩篇45:4、5)

葛原妙子の歌集の中には「右手」を詠み込んだ歌が散見される。

その右手おとろへしめよとありし詩句詩篇のいづこのくだりなりしや『朱霊』
エルサレムよ、もしわたしがあなたを忘れるならば、わが右の手を衰えさせてください。(詩篇137:5)
もしあなたの右の手が罪を犯させるなら、それを切って捨てなさい。(マタイ5:30)

わが右手はたらきながらひだり手の停(とどま)りて知る除夜の静寂『朱霊』
あなたは神のような腕を持っているのか、神のような声でとどろきわたることができるか。・・。そうすれば、わたしもまた、あなたをほめて、あなたの右の手はあなたを救うことができるとしよう。(ヨブ記40:9〜14)

冒頭に取り上げた短歌の前には以下のような歌が連なっている。

軍手に十指を嵌めて立ちゐたりわが血流のあらき薔薇色『をがたま』
雨雲はおほきかりにき暗かりき硝子の裡に人ねむりゐき
うすら陽の差しゐるところ立ちいでて枯草の瓔珞を引摺る   瓔珞=ようらく
フレームの光るめがねを近づけぬぎしぎしといふ草をみるべく

また、同じ『をがたま』のこの一連の数ページ後には、

わが庭のことごとく木の間なるときに白昼の蝕起こりゐにけり『をがたま』
という一首がある。

『をがたま』の前の歌集である『鷹の井戸』には次のような一首も見られる。

いまここにこころあらざる吾がためしどろの蔓を刈りゆく少年『鷹の井戸』
これらの歌の中に詠まれているのは「庭」のことである。しかし、これらの歌で妙子が詠もうとしているのは自らの「老い」についてであろう。

『をがたま』の中には、「葛原妙子32」で取り上げた「老い」を詠み込んだ別の一首もある。

かすかなる灰色を帯び雷鳴のなかなるキリスト先づ老いたまふ『をがたま』
この歌は、自分に先立って老いの中を進んでくださるキリストを詠ったものである。けれど、「神よわが右手を掩ふことなかれ」の歌の中では、神に抗っているのだ。「好きにさせといてください。あなたの助けなど必要ない!」と。草刈りをするにも、庭の木の剪定をするにも年を取りすぎて、枯草を首飾りのように引き摺りながらよたよたしている。それでも、「神よ、あなたの力は借りない!」と息巻いているのである。そういう姿を詠み込んでいる。そんな歌のすぐ後に来るのが、「葛原妙子50」で取り上げた次の一首なのだ。

     手品師
いでてゆくしづけさありて入りきたるしづけさありぬ ここはゆふぐれ『をがたま』

 
● 『高度衰退期(笑)を迎える日本』と『OECDの提言』、0529 再稼働反対!首相官邸前抗議
だが、そういうこととは別に、はっきりしている事実がある。そもそも軍事費を増やしたり、軍事活動を拡張しているような余裕は今の日本にはない。少し前に国交省が作った、このグラフを引用します。数年前にブログに載せたかもしれませんし、色んな審議会で引用されているグラフなのでご覧になった方も多いと思います。だけど内容は深刻です。
(中略)
…。経済規模が小さくなると、ただでさえ厳しい財政赤字社会福祉負担は大変なことになる。軍事費を増やしたり、莫大なカネを出して外国に兵隊を派遣したり、他国の軍事費を肩代わりする余裕がある筈がない。
(中略)
そんな 日本に対して、OECD経済協力開発機構)がこの4月にレポートを出しました。現在の日本経済を分析して、それに対する処方箋を述べている。少し異論はあるけど、ある程度筋が通った話だと思うので、概要をご紹介します。
(中略)
この指摘にあるようにアベノミクスで決定的に欠けているのは『低所得者に対する富の再配分』だ。OECDは先週5月21日にも『経済成長をするためには、日本は富の再配分を進めるべきである』というレポートを出している。…。
と、言うことで、今週も官邸前へ
(中略)
今週 かねてから経営危機に陥っていたフランスのアレバ社がフランスの電力公社に原発事業を売却することを検討している、と言うニュースが流れてきた。仏アレバ、原子炉事業売却へ:日経ビジネスオンライン。こうなってくると世界の原発メーカーは本当に限られてくることになる。

従来 原発メーカーの顔ぶれは東芝/WH連合(WHは東芝の子会社)、日立/GE連合(両者が合弁)、三菱重工/アレバ連合、それに韓国、ロシア、中国だった。だが東芝原発事業も含めた粉飾決算で苦境に立っている東芝揺るがす不適切会計、発端は国内原子力案件か|inside Enterprise|ダイヤモンド・オンライン。GEは原発はやる気がない(イメルト会長は原発は採算がとれないと明言)米GE イメルトCEO 原発“見切り”発言の衝撃度  :日本経済新聞
(中略)
大変めでたい話で、日本メーカーもそれほどバカじゃないだろうから、これから裏で脱原発を着々と進めていく可能性が高いだろう(●●は既に原発部門からだいぶ人を異動させたという噂を聞く)。これからは脱原発の主な障害は地域独占の電力会社、ということになるだろう。…。(抜粋引用)

29日の関電前では、後ろを自転車で通りがかったご婦人が私のプラカードをのぞき込むようにしてこられたので、お見せすると、「げんぱつはんたいさんせ〜ぃ!」と言って通り過ぎて行かれた。いつも後ろ側にも書いて貼ろうと思っていながら、一週間が過ぎてしまっているのだった。(ミルトス)