風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

ビタミンDとレニン


● 第777回 血圧コントロールと栄養 その5 「臨床栄養士のひとり言」

上にリンクさせて頂いた「臨床栄養士のひとり言」さんのサイトに、「レニンは何らかの理由で血圧が低くなると分泌されるホルモンで、レニンが分泌されることによって、体液の量が増え血圧は上昇しはじめます。ビタミンD(活性型ビタミンD)にはこのレニンの働きを抑える作用があり、不用意な血圧上昇を抑制してくれます」と記されている。

レニンは、レニン・アンギオテンシン系の初っ端に位置する内分泌ホルモンであって腎臓細胞から分泌される。これが分泌されるのが、血圧が低くなった時だと記されていたのである。ビタミンDがこのレニンの働きを抑える、と記されている。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進させる働きもしているので、ここから考えられるのは、ビタミンD不足、あるいはカルシウム不足によって血圧が低下した場合にレニンが分泌されて、レニン・アンギオテンシン系が働き血圧を上げるということである。

昨年8月の時点で、私はすでに「血圧が上がるのは先に血圧が下がりすぎるという状況があったからではないか」とブログに書いたのだが、ここに来て、カルシウム、あるいはビタミンD不足によって全身に血流をまわす力がなくなったためにレニン・アンギオテンシン系が作動して、血圧を上げたということがはっきりしてきたように思える。

ビタミンDは以前は干し椎茸などで良く摂っていたのだが、原発事故後干し椎茸は使わなくなっていた。加えて、心不全を起こすまでの数年、夫は、度重なる出張で、日光に当たって散歩するというようなことをほとんどしていなかった。運動もしていなかった。
血流をまわすふくらはぎのポンプを動かすことなく頭ばかり使う仕事をやっていたので、体は一生懸命血圧を上げて血液循環を良くしようとしていたと考えられる。

そしてもう一つは、亜鉛不足でナイアシンを摂りすぎたために、インスリンによってナトリウム濃度が高まり、水分が滞留し、血液が増え、心不全を引き起こすこととなった。
病院での検査の中に、糖尿病に関連する検査項目が二つある。一つは「GLU」というもの。これは血中のグルコースブドウ糖)の値を表している。もう一つはHbA1cというものであるが、これがインスリン抵抗性を示すものであるということを最近になって知った。この値が、退院時の検査でも基準値を上回っていたのだが、退院後最初の検診で基準値に入ったのだった。私は、インスリン抵抗性が亜鉛不足によるインスリン受容体の不具合から生じていると考えていたのだが、退院後の改善を見てもそれが証明されたのではないかと思われる。

これらを総括して、夫の病因をまとめれば、亜鉛不足とナイアシン過剰、日光浴と運動不足によるビタミンD、あるいはカルシウムの機能不足による高血圧、心不全インスリン抵抗性糖尿、腎機能低下と言えるように思う。

札幌時代、岩塩を使うようになってから、カルシウムの多い塩一辺倒だったが、数年前からマグネシウムの多い海塩も使っていた。塩については、マグネシウムとの関連で、もう一度きちんと書きたいと思っている。


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『血圧が低下すると・・ー『心臓の力』より』