風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

利尿剤ラシックス(フロセミド)と降圧剤ブロプレス(カンデサルタン)

ARB系の降圧剤ブロプレスについての記載を読むと、「高カリウム血症となる」ことが分かる。
ブロプレスは、陽イオンのバランスを取るという体の働きを利用して、血中にカリウムを留めることでナトリウムを腎細胞内に入れ、水分を排出し、血圧を下げるということだと考えられる。

利尿剤フロセミドは、ヘンレのループにおいてナトリウムイオンの再吸収を阻害して、ナトリウムと共に水分を尿として排出し、循環する血液量を減らすことで血圧も下げる。
ナトリウムの再吸収を阻害することで腎細胞におけるナトリウム濃度が下がり、イオンバランスが崩れる。そのため利尿剤を飲んでいる場合は、血中のカリウムが腎細胞の陽イオンを補うために腎細胞内に入り、低カリウム血症となる。


過去記事で、「ネットの検索で、高カリウム血症となるARB系の降圧剤でも、低カリウム血症となる利尿剤でも共に尿酸値が上昇すると記載されていたものを目にした」と書いた。これは、水分が体外に排出されるために脱水となり、血中濃度が高まるためだと考えられる。


6月30日のブログで「ブロプレスとフロセミドの組み合わせで体内に溜まった水分を排出してくれるだろう」と書いたのだが、長期の使用では、ナトリウム・カリウム不足が起こり、脱水状態となる可能性もある。
前回入院時は飲水制限が厳しかったのだが、今回、新しい主治医は「それほど厳しい飲水制限をする必要はないと思います」と言ったという。とは言え、利尿剤によって水分を排出しているのだから、やたらと水分を摂るのは利尿剤を飲む意味がないとも言えるので、そこはほどほどに考えて摂らなくてはならないだろうが・・?


色々調べていて、フロセミドについて書かれた医学生のブログを見つけた。


● ループ利尿薬(フロセミド)が高血圧に使われにくいのはなぜ? 
また、利尿作用が強いです。
利尿作用が強すぎてむしろ、「脱水⇨レニン分泌の促進」を引き起こしてしてしまいます。
レニン分泌促進はRAA系の活性化に繋がり、循環血液量が上がります。
効果が効いている間は体液量を下げますが、利尿作用が切れたら体液量が上がってしまうということです。(「医学生あずまのメモ帳。」より抜粋引用)

また、フロセミドについて書かれた薬の本の中に「減塩療法との併用は禁忌」と書かれたのがあったのだが、前に薬を飲みながら減塩をすると逆に血圧が上がり始めたということがあった。
このあたりが、薬を長期に使用することの弊害だろうと思う。体は恒常性を保とうとして逆に血圧を上げ始めるのである。