風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

カルシウム不足でアレルギーマーチを引き起こす

アレルギーマーチに関する新しい記事は以下、
meromeropy77.hatenablog.com


● アレルギー反応を制御する重要分子「STIM1」を発見-細胞外からのカルシウム流入が、アレルギー反応を引き起こす- 理化学研究所
 これまで、肥満細胞からの顆粒放出には、細胞質内のカルシウム上昇が関わっていることが指摘されてきました。細胞質内のカルシウム上昇には、大きく分けて二つの経路が考えられます。一つは、細胞内のカルシウム貯蔵庫である小胞体から迅速かつ一時的にカルシウムを放出する経路で、もう一つは、小胞体内のカルシウムが低下したことが引き金となって、細胞膜上のカルシウムチャネルを介して細胞の外部から持続的にカルシウムが流入(ストア作動性カルシウム流入)する経路です。…。
 STIM1は、全身の細胞で発現している分子です。これまで、このタンパク質には、小胞体のカルシウム濃度が低下するとそれを感知し、細胞外からのカルシウム流入を開始させる、カルシウムセンサーのような役割があると考えられてきました。
小胞体:網目状に広がる膜状の細胞内小器官であり、タンパク質や脂質の合成、修飾を行なう。また、細胞内でカルシウムを貯蔵する場所でもあり、刺激により、カルシウムを細胞質へ放出し、様々な生理的現象に関与する。(抜粋引用)(赤字表記はミルトスによる)

リンクさせて頂いた理化学研究所のプレスリリースの“細胞質のカルシウム上昇の二つの経路”には、血液のpHが関連していると思われる。すなわち、カルシウムのタンパク結合型が多いアルカローシス体質では、小胞体から迅速にカルシウムが放出される。しかし、低タンパク型のアシドーシス体質では細胞外である血中にイオン型として存在するカルシウムを細胞内に流入させて細胞質内のカルシウムを上昇させる、ということだろう。
ウィキペディアの「ヒスタミン受容体」の[H1受容体]には、「H1受容体はGq/11タンパク質とカップリングしており、ホスホリパーゼC(PLC)の活性化を行う。それにより生成されたジアシルグリセロールとイノシトールトリスリン酸がそれぞれプロテインキナーゼCや小胞体からのカルシウムイオンの動員を引き起こす」と記されている。
これらについては、後日、もう少し詳しく見ていきたいと考えている。

さて、ネットの検索では、「カルシウム不足でアレルギーマーチを引き起こす」という内容の記事が少なからず出てくる。牛乳アレルギーで乳製品を除去することでカルシウム不足になり、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎から喘息などへと移行していくということのようである。

溝口徹=著『「脳の栄養不足」が老化を早める!』には、セロトニンドーパミンギャバ等の脳内神経伝達物質の合成の大元にはたんぱく質が必要であり、それにプラスしてカルシウムとビタミンCと胃酸が必要であるように記されている。
ストレスやアレルギーに対抗する副腎皮質ホルモンは、副腎髄質から放出されるアドレナリンによって刺激を受けて分泌される。このアドレナリンはドーパミンから変換される伝達物質なので、アレルギーに対抗する大元にカルシウムが必要だということが言える。

そのカルシウム供給源である乳製品を除去していると、アレルギーに対抗するホルモンを作ることが出来ずに、食物アレルギーは治まったが、喘息などのアレルギーが発症してくるということではないだろうか?

娘の場合は生後一年で牛乳アレルギーがなくなったので、乳製品全般を復活させた。花粉症は少しあるようだが、今に至るまで喘息は出ていない。
娘が中高の頃は、私がカルシウムの多い岩塩に嵌っていて、料理には岩塩を使っていたのでカルシウムが不足することはなかったのではないかと思う。ただ、岩塩には鉄も多い。そしてこのころは、モリブデンが半端なく多い納豆を良く食べていたので、おそらく尿酸との関連で手の指の関節の皮膚が年中切れていた。
私自身は忘れていたのだが、娘が一人暮らしを始める時、マグネシウムの多い食卓塩を使うように勧めたらしく、学生時代、娘の指は切れていなかったという。だが、夜勤のアルバイトを始めてアトピーが酷くなった。

この数年、私はマグネシウムの塩を使うようになっていた。マグネシウムは、カルシウムの細胞内流入に対して抑制的に働く。
このところは、夫の血圧のことを考えて、カルシウムの塩よりマグネシウムの塩の方へ傾いていた。しかし、中村丁次=著『栄養成分バイブル』には、「高血圧を予防したい人」にカルシウムがおすすめと記されている。血圧が上がる前提にカルシウム不足があると言える。カルシウムが不足すると、腎臓からレニンというホルモンが分泌されて血圧を上げようとするということだろう(関連過去記事→「ビタミンDとレニン」、と考えられる。
夫の喘息と心不全とカルシウムとの関係は後日別記事でまとめたいと思う。

また、同じ『栄養成分バイブル』の中に「カルシウムが不足すると」「アレルギーに弱くなる」とも記されていたのだった。これは、何度も何度も引用してきた生田哲=著『心の病は食事で治す』に記された「高ヒスタミンの患者に…。しかしカルシウムを投与すると、ヒスタミンレベルが下がり…」につながる内容である。そして上に引用した理化学研究所のプレスリリースともつながっていく。

血圧にしても、アレルギーにしても、最初はカルシウムの「不足」から始まっているのではないか、と考える。

こんなところから、このところの娘のアトピーが良くないのは、マグネシウムの塩の使いすぎによるカルシウムの細胞内流入阻害が大きな一つの原因となっていたのではないか、と考えた。

ここまで来るのに紆余曲折が随分あったのだが、少しずつまとめていこう。