風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

ビタミンDとマグネシウム


● 「働く女性は、飢餓状態にある」ミス・ユニバース・ジャパンの栄養指導をした女性が訴えたいこと
私は18歳のときに、父が胃がんに、19歳のときに母が悪性リンパ腫(血液のがん)になりました。実は、父は鍼灸師をしていて母は玄米菜食を取り入れていました。私や妹も玄米や雑穀米を食べて育ったんです。両親ともに健康への意識が高く、体にいい食事をしていたはずでした。
だからこそ、がんが生活習慣に起因するという定義に納得がいかなかったのです。…。
両親が小康状態になったとき、これからどうやって暮らせば再発しないのか、自分たちもがんにならないのか、新しい健康習慣の構築の仕方がわかりませんでした。
医師にその疑問をぶつけたら「君の関心がある分野は予防医療だ。日本には国民医療保険制度によって病気になっても安価で医療を受けることができる環境があって、予防医療は栄えない。でも、アメリカにはその制度がないから、予防医療に力を入れている」と教えてくれたのです。
(中略)
専業主婦だった母は健診を受ける機会と、科学的な裏付けのある知識が足りなかったのだと気づきました。
健康のためには、機会と情報の提供が重要だと感じたんです。(抜粋引用)

ビタミンDについて調べていて、次はマグネシウムと思って調べると、マグネシウムはビタミンDを活性型にするために必要だと書かれたものが複数見つかった。

中村丁次さんの『栄養成分バイブル』を読んで以来、カルシウムとマグネシウムのバランスが大事だとずっと考えてきたのだが、ここに来て又、ビタミンDを通してマグネシウムとカルシウムの関連が見えてきた。

昨日の地方誌の医学ライターの欄で「マグネシウム」が取り上げられていて、国立がん研究センターの発表によれば、海藻や魚、玄米、アーモンドなど、マグネシウムの多い食事をしている人は、心筋梗塞などの発症リスクが低いという」と記されていた。しかし、この書き方は良いとは思えない。海藻は確かにマグネシウムが多いが、物によってはマグネシウムよりカルシウムの方が多い場合がある。ひじきはカルシウムの方が多い。わかめは種類によって違う。
カルシウムとマグネシウムの理想比は2:1と言われているが、カットわかめのカルシウム、マグネシウムは理想的な比率で含有されている。この記事の中程にマグネシウムが欠乏すると…血管や末梢神経へカルシウムが沈着しやすくなり、血圧上昇や動脈硬化をもたらして脳卒中心筋梗塞など循環器病を発症しやすいといわれてきた」と記されているのだから、カルシウムとマグネシウムの含有比率を頭に置いて紹介する必要があるだろう。
ナッツ類なども相対的にマグネシウムが多いが、胡麻マグネシウムよりカルシウムの方が多い。カルシウムの多い青菜を和える時など、胡麻和えにすることが多いと思うが、胡麻和えよりカシューナッツ和えなどにする方が良いかも知れない。
また、「魚に多いマグネシウムと書かれていたが、肉類も骨付き肉などを別にして相対的にカルシウムよりマグネシウムの方が多い。ただ、含有量としては少ない。けれど、成分表に記されているのは可食部100g当たりであるから、肉を100g食べるのとナッツや海藻を100g食べるので比較してみれば答は自ずと出るだろう。

関連過去記事→「ビタミンDとレニン」

上にリンクした予防医療コンサルタント細川モモさんのインタヴュー記事を読むと、定説や曖昧な知識を鵜呑みにしたのでは逆に体を壊すのだと思わされる。けれど、素人はそれらの情報を検証する術を普通持たない。細川モモさんは「専門家を機能させるコーディネーターになろうと」思ったと言っておられる。医学と栄養学、栄養学と食品学等、複数の分野を繋げて情報を提供できる人の存在がこれから必要となってくると私も思う。
そして驚くのは、「日本には国民医療保険制度によって病気になっても安価で医療を受けることができる環境があって、予防医療は栄えない」という部分だ。何と皮肉なことか、と思う。けれど実際、病気になって病院に行くと、薬漬けになって一生を終わらされるように思う。悩ましいところだ。

折しも選挙が終わって、高齢者の医療費自己負担引き上げが言われ始めた。