風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

猫のジジ


  祖父母の家で
猫のジジ横目で見てるおひな様
 (小さい頃の娘の作)

木目込み人形のお雛様の横に、魔女の宅急便の黒猫のジジのぬいぐるみが置かれてあった。

雛祭りが近づくと92で亡くなられた俳句の師匠を思い出す。
札幌に引っ越して以来身近ではなかったが、分からないことがあると電話して長々おしゃべりしていた。最後に電話で話した秋の終わりに、「何となく元気がなかった」と気になっていた。そうして3月に入ったすぐの日、亡くなったという知らせを受けた。私はその日、母の病院の付き添いの日だった。3月の明るい陽ざしの中、雪道を車で走らせながら、涙があふれて止まらなかった。「○○さん(私は師匠を名前で呼んでいた)が亡くなるなんて考えていなかった」心の中で何度も思った。馬鹿だなぁと思う。いつか人は亡くなるのだ。でも、この人はいつまでも生きているように思っていた。そして、何か分からないことがあれば、いつでも電話で教えてもらえると思っていた。
師匠が亡くなってから、私に、死というものがぐっと近寄ってきたような気がする。