風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

β遮断剤とココアの飲み合わせは?


 日本人は紅茶、コーヒー党が多いが、冬の飲み物としてココアもよいものである。
(略)
 瀬戸引き鍋にココアと砂糖を入れ、熱湯または沸かした牛乳を少しずつ落とし、木べらの腹で強くねる。ねると、つやと香りが出て来るから面白い。大した時間は要さない。二、三分で事足りる。ここへ少しずつ熱い牛乳を加え、仕上げてゆく。最後にほんとに、ほんとにひとつまみの塩を落とす。お汁粉に塩をひとつまみと同じ理屈である。(辰巳芳子=著『味覚旬月』(ちくま文庫)より抜粋)

ココアや小豆はカリウムが多いから塩をほんの少し入れるのは理に適っていると思う。ココアに塩を入れたことはなかったのだが・・。

夫が午後から入院するという日の昼食後、銅が足りていないと思い、ココアを飲ませた。
その日の夜中、気分が悪くなったという。吐くほどではないが気分が悪いと思っているところへ看護師さんが血圧測定に来て、測ったところ下がりすぎているということで薬(点滴)の調整をして貰って治まった、と。
翌日その話を聞いて考えていて、ココアが悪かったのではないかと思った。
利尿剤を飲んでいるところへカリウムの多いココアを飲ませたためにナトリウムが排出されたと考えた。昨年のクリスマスに具合が悪くなった時の軽い感じだったのではないかと。
それで翌々日だったかの午後、塩を二粒ほど入れたココアを作って持って行った。その日からβ遮断剤を飲み始めていたのだった。
夜、「ココアを飲んで具合が悪くなっていないか」とラインを送ると、「ココアを飲んで調子が悪くなったということはないけど、夜の分の薬を飲んで、動悸がした」と返ってきた。
ココアの銅が交感神経に働いてβ遮断剤とぶつかっただろうか?と思い、余計なものは飲まさない方が良いかと、その後、ココアはもう持っていかないことにした。

退院して、散歩で出かけて、夕方、お店でアイスココアを飲んだという日の夕食後、薬を飲んでから心臓に圧迫感を感じるという。
あぁ、やはりココアが何か関係してるな?と考えた。
血圧が下がっているか、心拍数に何か変化が起きているかも知れない。
測ったところ、心拍が85だった。夜で、心拍をゆっくりさせるβ遮断剤を飲んでいるにしては高い数値だ、と思った。


 また、ココアに含まれている、カフェインの仲間のテオブロミンやアミノ酸の一種であるギャバが、ストレスをやわらげてリラックスさせてくれます。(『食べて飲んで高血圧をみるみる下げる即効ブック』(主婦の友社)より抜粋)

昨年の秋くらいから、会合の時や頭を使う時などに食べるようにギャバ入りのチョコレートを常備していた。
入院前に、何か甘い物が欲しいと言って、夫がそのチョコレートを食べようとした時、私は止めたのだった。アセチルコリン過剰で副交感神経に傾いて具合が悪い時に、リラックスさせるギャバ入りのチョコレート等食べればますます具合が悪くなる、と考えたからだった。そのチョコレートはギャバパウダーを添加したものだったから。
けれど、チョコレート自体にギャバが多いとは知らなかった。

ギャバは副交感神経に働きかけて心拍を押さえるのだろう。
β遮断剤は、交感神経を抑制して心拍を抑える。
二つはアプローチの方向が違うが、どちらも心拍を押さえるのである。その結果、心拍の抑制が増幅されたと考えられる。
心拍を押さえられた心臓は、「これはまずい!」と反応して、逆に心拍を上げたのだと思われる。

私は、ココアは銅が多いから心筋の収縮力を高めると考えていたのだが、この場合、ギャバの働きの方が上回っていたと思える。食品の諸相を知らなければならない。


ココア(多量に摂取することで、心臓発作や心筋梗塞の死亡率を半分に軽減することにかかわると言われている)(ペニー・スタンウェイ=著『ナチュラルヘルスケアのためのスパイスハンドブック』(東京堂出版)より抜粋)

ココアは嗜好品というより、薬代わりと考える方が良いように思う。薬の代わりになるということは、それなりに副作用もあるということだ。

● GABAの効果や多く含む食品って?
ただし、GABAの過剰摂取には注意が必要です。過剰摂取をした場合、動悸や息切れ、顔の紅潮、唇の痙攣が起きる恐れもあります。
また、少量でも呼吸の乱れや体中がピリピリする、吐き気などの症状が見られることもあるので注意が必要です。(抜粋引用)