風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

福島の子どもの甲状腺がん多発と甲状腺刺激ホルモンと亜鉛とセレン

● 「放射線の影響は考えにくい」に疑問 福島の甲状腺検査 評価部会長が辞表
 こういう重要な事実を、朝日、読売、毎日、NHKは報道していないようですね。彼らも原発ムラの住民だからでしょうか。
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北海道新聞 10月21日(金)13時30分配信
放射線の影響は考えにくい」に疑問 福島の甲状腺検査 評価部会長が辞表
辞表を提出した清水一雄部会長
「部会長の立場では自分の意見が言えない」
(中略)
 清水氏は医師で、甲状腺内視鏡手術の第一人者。原発事故当時に18歳以下だった福島県の子供たち約38万人を対象にした検討委の甲状腺検査では、これまでに174人が甲状腺がんまたはその疑いと診断されている。
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 清水氏は「多発は事実であり、これまでの臨床経験から考えると不自然な点もある。『放射線の影響とは考えにくい』とは言い切れない」と説明している。
(中略)
福島県甲状腺検査とは
 2011年3月の東京電力福島第1原発事故当時、18歳以下だった約37万人を対象に同年秋から福島県が行う検査。14年春からの2巡目は事故後1年間に生まれた子供を加えた約38万人が対象。超音波で甲状腺のしこりの大きさや形を調べ、異常があれば細胞などを詳しく調べる。今年9月に報告された6月末時点の結果によると、1、2巡目を合わせて甲状腺がんと確定したのが135人、がんの疑いが39人。1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故では放射性物質ヨウ素131の影響で周辺の子供たちに甲状腺がんが多発した。
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● 放射線問題と細胞環境維持への提言
独立行政法人放射線医学総合研究所によるマウスを使った実験で、抗酸化ミネラルを通常よりも多く含有した酵母放射線防護効果があることが確認され、 2006年3月末にプレス発表されました。…。 これは、酵母に含まれたそれぞれの微量ミネラルが、マウスの体内で抗酸化作用を発揮し、致死量の放射線による活性酸素のダメージからマウスを保護したものと考えられます。同時に行われた、ミネラル酵母が持つスーパーオキシドの消去能力に関する実験では、特に亜鉛含有酵母の力が際立っていることがわかっており、その力を数値化した場合、亜鉛100に対してマンガン47、銅42、セレン8であったとされています。 こうしてみるとセレンの力が極端に劣るように思えますが、亜鉛、銅、マンガンはいずれもスーパーオキシドを消去する酵母の合成や活性にかかわるのに対して、 セレンの場合はスーパーオキシドではなく、過酸化水素の消去及び過酸化物質の生成抑制を得意としているため、これは半ば「当然の結果」ともいえるのです。 むしろ完全に消去できなかったスーパーオキシドによる過酸化水素の生成や過酸化脂質の暴走を食い止める上でも、セレンを十分に摂取することの意義は計り知れません。
このミネラル酵母の注目すべき最大のポイントは、放射線被曝の前でも後でも一定の防護効果が得られると報告されていることです。(抜粋引用)


 キャベツはまことに薬効の多い野菜の一つであるが、欠点もないわけではない。甘藍性甲状腺腫といって、食べすぎると甲状腺がはれるのである。ウサギで実証されている。キャベツやかぶ類の仲間のなかに含まれているピリッとする香辛料的な物質(チオーオキサゾリジン)が問題なのである。
 チオーオキサゾリジンは甲状腺におけるホルモン(サイロキシン)の合成を阻害することにより、血中濃度を減少させる。その減少が視床下部(脳の中央部にある生命現象をコントロールする部分)そして下垂体を刺激して甲状腺刺激ホルモンの分泌を促す。結果として甲状腺がはれるということになる。
 こういう甲状腺のはれを栄養条件性甲状腺腫という。これは中国内モンゴル自治区などのように地方的にヨウ素が不足しているところでとくに見られる(地方性甲状腺腫)。
 このように、キャベツにはサイロキシンの合成を阻害する物質が含まれているので、甲状腺機能低下症の治療剤服用患者は、キャベツ、芽キャベツ、カリフラワーなどの摂取を避けること。
 また、このキャベツが胎児や幼児に害をおよぼす例として、クレチン病(発育不全となる病気)の原因になる場合がある。わさび(とくにねりわさび)にも同様の害がある。
(川嶋昭司=著『食べ物のメリット・デメリットがまるごとわかる本』(三笠書房)より)

今回夫が心不全で入院した時の甲状腺の検査値も、以前甲状腺機能低下症で通っていた病院での検査値も、甲状腺ホルモン自体は基準値内に入っていた。しかし低下症と診断される時の甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値は高いのである。入院時の甲状腺ホルモン(FT4)は0,94で退院時は0,98で左程変わりはないのに、甲状腺刺激ホルモンの値は大きく変わっている。また、退院時と8月末のFT4の値は同じであるのに、甲状腺刺激ホルモンの値は8月末には基準値を僅かだが超えていて、甲状腺機能低下に傾いていたのである。

福島の義父の甲状腺刺激ホルモンの値については聞いていないのだが、甲状腺ホルモン自体が基準値の半分に満たない量で、検査結果が出た時点で病院から呼び出しがかかったと聞いた。

甲状腺ホルモンの必要量というのは、年齢によって違うだろうと思う。一人一人の今、この時の体を維持するために必要な量を視床下部が感知して下垂体前葉から甲状腺刺激ホルモンを分泌させ、甲状腺ホルモンを調整しているのだ。だから甲状腺ホルモン自体が基準値内に入っていても、足りないと体が判断して「もっと出せ」と、刺激ホルモンが分泌される場合があるということだ。

甲状腺ホルモンは成長期にある子どもの方が大人より必要とするだろう。足りていなければ、子どもの方が甲状腺刺激ホルモンが放出されやすいと思われる。しかし、この刺激ホルモンの過剰が甲状腺腫を引き起こすということなのだ。

放射線によって増えた活性酸素消去のために、甲状腺ホルモンの材料となる亜鉛やセレニウム(セレン)が消費され不足する可能性があるということは、これまでにもブログで取り上げてきた通りである。また、甲状腺ホルモンを作るためにはヨウ素も必要である。ヨウ素放射線と深く関連していることは言うまでもない。原発事故後に甲状腺がんが子どもに特に多発するということは、こういったところからも十分考えられると思われる。関連過去記事
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甲状腺ホルモンT4、T3(ストレス、放射線と亜鉛)