風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

たんぱく質を制限すると・・

肝臓のグリコーゲンが枯渇すると、体たんぱく質が分解され、生じたアミノ酸から糖新生によってグルコースが合成され、血糖値が維持される。(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』(ナツメ社)より)

「ナイアシンの過剰摂取で腎不全になる?」でも書いたのだが、病院では夫の腎機能を表す数値が悪いということで、たんぱく質を制限した食事内容になっていた。私自身が直接栄養士から指導を受けたのではないが、夫が栄養士に尋ねたところによると、1日のたんぱく質の摂取量を20gに抑え、残りの必要なカロリーを糖質と脂質で補うということだったという。そのためか朝食は、マーガリンとジャムが添えられた食パン2枚にサラダと缶詰の果物、そしてカップに半量の牛乳という内容だった。
夫が入院したのは、腎機能が悪かったためだけではない。大元は心不全であり、血糖値も良くなかったのだ。こういった糖質ばかりの朝食では、インスリンが過剰分泌されて血糖値は安定しない。血糖値を安定させるために最も大事なことは、インスリンの過剰分泌で血糖値を急落させないようにすることだ。
しかも、この朝食には糖質をエネルギーに変換するビタミンB類がほとんど含まれていない。
成人男子のたんぱく質の1日の所要量は65~70gとされているようだが、20gでは全く足りていないと言える。病院のベッドで朝から横になっているのならそれでも良いかもしれないが、夫が栄養士に尋ねたのは、退院後の食事内容についてであったから、退院後もたんぱく質の一日量を20gを目安にして摂るという助言だったということになる。本当にそれで良いだろうか?

たとえば、ストレスに対抗する副腎皮質ホルモンを分泌させるアドレナリンや他の神経伝達物質等もたんぱく質を材料に作られている。たんぱく質を減らしてその分のカロリーを補うために糖質を増やせば、インスリンの作用で血糖値が急落する。急落した血糖を上げるために各種の内分泌ホルモンや神経伝達物質が放出される。それらを作るためにたんぱく質が必要となる。同時にエネルギー源としての糖質がもっと必要になる、といった悪循環に陥るのではないかと思う。

以下には、『しっかり学べる!栄養学』から「摂取するたんぱく質の量と質の評価」について記された頁を写真で掲載する(この写真は後に削除する)



ところで、『しっかり学べる!栄養学』には以下のようにも記されている。

 各組織にエネルギーを絶えず補給するためには、血糖(血液中のグルコース)を維持することが必要となる。特に、脳、神経系および赤血球は、グルコースを主要なエネルギー源としており、脂質やたんぱく質では補うことができない。
 脳は体重の2%程度の重量しかないが、エネルギー消費量は大きく、基礎代謝量の約20%を占める。…。血糖値が低すぎると、脳へのエネルギー供給が途絶え、昏睡などのいわゆる低血糖症状を招く。脳のエネルギーを枯渇させないためには、空腹時でも血糖を維持しなければならない。(『しっかり学べる!栄養学』p101)

しかし、同じp122の「空腹時の脂質代謝のところには、「空腹時、体脂肪として蓄積されているトリアシルグリセロールは、…。…、脂肪酸は…、エネルギーを必要とする組織に取り込まれる。なお、ホルモン感受性リパーゼは、空腹時に血中濃度が上昇する、グルカゴンやアドレナリン、副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺ホルモンによって活性化される。(略)また、脂肪酸がβ酸化されて生じたアセチルCoAからは、ケトン体が産生される。ケトン体は血中に放出され、最終的には、肝外組織においてエネルギー源として消費される。空腹時には、脳でもケトン体が利用される」(『しっかり学べる!栄養学』)と記されている。

また、(まだきちんと読んでいないのだが)『ケトン体が人類を救う』という書物には、以下のように記されている。

 さて、これまで、「飢餓のときなど、糖質エンジンが働けないときのサブエンジン」だと思われてきた、ケトン体エンジン。
 しかし、この脂肪酸を使うエンジンこそが、心筋や骨格筋を動かすエネルギーの源であり、寝ているときなど何も食べていないときでも、静かに、しかし確実に動いているのです。
 ブドウ糖エンジンは、激しい運動のときや、糖質をとっているときのエンジンであり、人体では赤血球だけが、「ブドウ糖のみ」を使える細胞です。
 脂肪酸やケトン体は、細胞内のミトコンドリア代謝されますから、ミトコンドリアのない赤血球では、ブドウ糖しか使えないのです。(とはいえ糖質を摂取せずとも、肝臓でのアミノ酸など使った「糖新生」でもブドウ糖は作られます)。
 しかし、それ以外の臓器では、たとえ「脳」でも、ケトン体が使えます。脂肪酸は分子量が大きいために血液脳関門を通過できませんが、ケトン体は通過できますし、最近では、むしろ脳神経系はブドウ糖よりもケトン体との親和性があり、ケトン体は脳にとっては保護的な作用があると言われています。(宗田哲男=著『ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか』(2015年発行、光文社新書)より)

栄養学にせよ医学にせよ、全ての事柄がすでに解明されているわけではない。刻々と変動していると思われる。病院での栄養指導、食事内容、医療は研究成果のはっきりしたところから見ると数年遅れていると言えるかも知れない。

また、以下にも『しっかり学べる!栄養学』から「主要栄養素の動態と利用」について記されたところを写真で掲載する(この写真も後に削除する)

ここを見ると、小腸での吸収の際に脂質だけが単純拡散によって取り込まれることが解る。極端なことを言えば、グルコースは、ナトリウムがなければ腸管吸収の時点で取り込まれないということになると考えられる。
また、インスリンが分泌されても、インスリン受容体が機能していなければグルコースは細胞内に取り込まれず高血糖となる。受容体というのは、たんぱく質が材料となるのではないだろうか。そしてここで、たんぱく質を合成する亜鉛も関連してくるだろうと私は考える。

上に引用した『しっかり学べる!栄養学』には、甲状腺ホルモンは、体脂肪を分解するリパーゼを活性化するように書かれていた。甲状腺ホルモンを作る大元となる材料もチロシンというアミノ酸、つまりたんぱく質の一種である。そこに亜鉛等の栄養素が関わって作られる。
夫は元々この甲状腺ホルモン機能が亢進しやすい体質であった。だから代謝が促進されて、甘い物を摂ってもすぐに消費されるようなところがあった。そういう夫には朝食は必要不可欠だったと思われる。
対して私は、朝食を食べると眠くなって働けなくなる体質である。20代の頃は、朝は何も口にしないで仕事に出かけていた。朝起きて、水さえも口にした記憶がない。それで何も問題なく働いていたのである。今は、砂糖と低脂肪乳を加えたカフェオレだけというのが私の朝の定番となっている。
今後、体質の違いで必要なものがどう変わるのか、さらに考え続けて行きたいと思う。



● 『ビクトリアン・スイーツと毒まんじゅう』と『再配分とジニ係数』、それに『0916再稼働反対!首相官邸前抗議』
…。金をとられれば政治に関心を持つ人が増えるでしょう。もちろん金持ち、特に20%と税率が低い金融所得からはもっと、ガッポリ取る。…。ボクも無料は嫌いじゃありませんが、冷静に考えれば何事も無料は良くないですよ(笑)、どこかでコストがかかっていて、それを誰かが負担しているんだから。自分は無料を良いことに知らんぷり、そういうのをモラル・ハザード(心が腐ってる)と言います。原発立地も…も同じようなもんじゃないですか。勿論 自分がそうならないように気をつけなくてはいけませんけど。
と、いうことで、今週も官邸前へ。…。
今日の午後6時の気温は28度、参加者は850人。連休前でちょっと出足は鈍かったかな。
(写真等、略)
今週は今まで1兆円以上の無駄ガネを費やしてきた、そして維持費が年間200億もかかっているという『もんじゅ』の廃炉の話が出てきました。もんじゅ」存続か廃炉か 政府方針決定に向け最終調整へ | NHKニュース
政府は民間に押し付けたかったようですが、グローバル競争でどこの企業だってヒーヒー言ってる昨今 あんな馬鹿なものを受ける民間があるわけありません。そんなことをすれば株主、それこそ外国人株主が訴えてきますからね。経産省も匙を投げたみたいです。もんじゅだけでなく、存続を主張する文科省も一緒に潰すのが日本の為、なんじゃないでしょうか。補助金欲しさに存続を主張する補助金泥棒の敦賀市もいらないかも(笑)。そんなにもんじゅを続けたけりゃ、敦賀市のカネでやれって(笑)。これも表面上のコストがかからないからこそ起きる、モラルハザードの典型です。
その一方(中略)
原発の電気が安いという前提でしょうけど、所詮 市場原理では原発なんかムリなんだから(笑)、無駄な抵抗、だと思いますけどね。原発立地を黙らせるための補助金や安全対策費用は負担しなければならないわけですから。世の中に無料のものなんかないんだよ!この世に生まれた者は誰でも、代償を支払わなければいけないはずです。
●今年 御年68歳のスプリングスティーン『The Price You Pay』。(この動画にはリンク先からお入りください)(抜粋引用)

「無料(ただ)より高い物はなし」ー母の口癖だった(ミルトス)。