風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

風の旅人復刊第4号 死の力


● 白痴の風:★0627 再稼働反対!首相官邸前抗議!
ということで(笑)、今週も官邸前へ
最近の天気は不安定だ。今日の東京は曇り模様だったけど、官邸前周辺では6時直前にゲリラ豪雨が降ったらしい。それで国会前の抗議はお休み。まだ時折、パラっと大粒の雨が降ってくる中、官邸前に皆が集まっての抗議となった。
明日は『6.28 NO NUKES DAY 川内原発を再稼働させるな! さようなら原発★首都大行進』( 首都圏反原発連合)があるということで人数は少ないかなと思っていたが、参加者数はいつもと殆ど変らなかった。延べ人数でだいたい2000人くらいか(主催者発表2400人)。

私は本当は雑誌というものを好まない(『風の旅人』を雑誌と呼ぶのも何か違う気はするが・・)。気に入ったものは一冊の本として手元に置いておきたいタイプなのだ。娘が小さい頃は童話の連載を毎日楽しみに待てるようにと、子ども新聞をとっていたのだが、本当は新聞をとるのもあまり好きではない。たまってくるから読み切れないまま捨てなくてはならなくなるからだ。どうでも良いような雑誌なら捨てるのも容易いが中身の濃いものは雑誌であってもなかなか捨てられない。だから尚のこと困るのである。短歌の月刊誌を1,2年ほどとっていたが、それももう止めた。読み切れていないが、そのうち処分しなくてはならないだろう。老い支度を始めなくてはいけないから・・。


しかし、この『風の旅人復刊第4号−死の力−』は購入した。
以下には、宮嶋康彦さんの写真と文を引用させていただく。


 ・・。長崎で生まれた私は放射能の脅威に無縁では過ごせなかった。その恐ろしさには敏感な触覚を持ち合わせていた。かといって、まさかこんな形で、朝に夕に享受してきた原子力エネルギーの魔手から、逃げ惑うことになろうとは夢にも思わなかった。メルトダウンの疑いが濃厚になったとき、二人の娘は地方に避難した。
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 ・・。景色は見た目には何も変わらない。ツキノワグマニホンジカも、キノコや苔の類まで、姿形や色彩に変化を見取ることはできない。放射線を測定する機器によってはじめて、内部に浸透した悪らしき物質の存在が判明するばかりだ。
 ただ、私たちの先祖が、草木や石ころにさえ、活きいきと神を感得してきたことを思えば、この眼で見ることができない放射性物質は、一面において、新しい神性をまとったといえるのではないのか。・・。
 そう、眼には見えない放射能は、思索のうえに築いてきた風景観も打ち砕いたのだった。
 汚染された風景が新しい解釈を求めてくる。見た目の変わらない森を撮影しても、原発事故前のフィルムに定着している景色とは、実態は異質だろう、と眼前の風光が問い返してくる。蓄積されたフィルムはそれとして、また、初めからやり直さなければならない。
 原発事故から三年が過ぎた。・・。

                 『風の旅人復刊第4号 死の力』所収、宮嶋康彦=写真・文