風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

百年の時経れどなほ・・(大逆事件から)


冤罪の古き事件の映像に笑みて映れり処せられし人は

大逆の幸徳秋水覚えしに大石聞かずふるさとに生ふ



冤罪に死せる「わが町の毒取る(ドクトル)」と呼ばれし人の笑みの柔らし

「大石だになかりしならば」と云ふ母のありて傷める思郷の心
紀州グループと称された中2名が死刑、後は恩赦によって無期となる。この母は無期となった者の母。[ 参考:森長英三郎=著『祿亭大石誠之助』(岩波書店)]


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己が愛はかなきを知るドクトルのみ文つきせずつきせずやさし

一粒の麦死してのち実を結ぶ 誠之助死しゑいは生りたり

彼の人を思はする如やはらかに笑まへる人は冤罪に死す

「彼の人のやうだ」と言へば誠之助きっと困って奥つ城に笑む

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夢に見き 誠之助が番傘に微笑みてのちゆっくり消えた ・ ・ ・



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百年の時ふれどなほその傷の奥へ奥へと深まりて閉づ


関連記事「大石誠之助」は以下から
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http://d.hatena.ne.jp/myrtus77/20120527/p2


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