● 和む ホントだ!和む
ふふみたる茶の花咲かせ山薫る
落ち葉朽ち葉木々を眠らせ山薫る
先週案内していただいた那智勝浦町色川は那智の滝のある那智山系に背後を囲まれた山深い地域であったが、どこもかしこもそこはかとない良い香りに包まれていた。これはなんだろうと考えて、「山の香り」というところに思い至った。
家の垣根の針葉樹も苅られると鋭い香りをたてる。香草なども千切られたり熱されたりすると香りをたてる。そんな鋭い香りではないのだけれど、生きているときには触れない限り香らなかったものも、枯れていくほどにそこはかとなく香りをたて始める。そのように、落ち葉が降り積もって香っているのだと思った。車で移動しながら見ていると、針葉樹の続く並木の下に葉が黄色く積もっている所もあったから、落ちて枯れた葉を包み込んで山が薫っているのだと思ったのだった。