風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

讃美歌21−419番とやなせたかしさんのアンパンマン

「あんぱんが飛ぶようなくだらぬ絵本は描くな」。40年前、絵本「あんぱんまん」が世に出た時に面と向かってそう言われた。・・。▲お気づき通り名前はひらがな表記、今より足の長いアンパンマンは砂漠で餓死寸前の人に自分の顔を食べさせる。さらに森で迷子になった子にも残りを食べさせ、ふらふらに・・。▲・・。図書館ではいつも貸し出し中、園の絵本はたちまち読まれすぎてボロボロになり、出版社の営業に注文が殺到しだしたのだ。アンパンマンはひもじい人を救うため世界へ飛び立つことになる。▲・・。▲ではなぜうけないと見込んだ絵本「あんぱんまん」を描いたのか。「背景にあったのは戦争の体験、正義のスーパーマンは飢えた人を助けるのが先決だろうと痛感していたからです」。やなせさんは先の戦争で22歳で戦死した弟の思い出をことあるごとに記していた。▲・・。
上記は、「やなせたかしさん死去」を伝えた日の新聞の余録である。

アンパンマン」がイエス・キリストをモデルにして描かれたと知ったのは今年に入ってからだった。
そうか!それでアンパンマンは自分の顔を千切って人々に食べさせるんだなと納得した。

一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、祝福してこれをさき、弟子たちに与えて言われた、「取って食べよ、これはわたしのからだである」(マタイ26:26)
讃美歌21の419番の4節にはイエス・キリストは次のように歌われている。

419ー4
さあ、共に生きよう。
主は飢えた者にその身をパンとして与えてくださる。

     誇り
            葛西弘吉
  配給の食事を待つ
  子供達 老人達
  数えきれない彼らの列が
  熱い大地にえんえんと連なる
  
  木の器にそそがれる
  一杯のとうもろこしの汁
  盲目の老人が
  地面にこぼした汁を土ごと喰う
  配給所の柵の周り
  飢えた大人達が中をのぞいている
  しかし決して柵を越えない
  子と親が食べているのを見守る
  大人達は誰も列に並ばず
  子供と老人に
  わずかな食事を受けさせている
  それが
  餓死寸前のアフリカの遊牧民
  最後の誇り

  僕らにこの誇りがあるか?

  今日もテレビニュースが
  殺人事件を報じている