風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

ステロイド薬と満月様顔貌と副腎皮質ホルモン(追記あり)

満月様顔貌とは、顔に脂肪が沈着して満月のように顔が丸くなった状態であるようだ。

「副腎皮質ホルモンの過剰分泌、もしくは副腎皮質ホルモン製剤の過剰投与によって引き起こされる」(https://www.kango-roo.com/word/19688、と記されている。

 

副腎皮質ホルモンの糖質コルチコイドにはタンパク質を糖質に変換する働きがあるが、タンパク質から変換されて余剰となった糖質が中性脂肪となって蓄積するということだろうか?

副腎皮質ホルモンの電解質コルチコイドはナトリウムイオンを再吸収してカリウムイオンの排泄を促進するから、水分が溜まって、顔というか頭部が膨れるということではないかと私には思える。

 

太腿や二の腕等に出来るセルライトも脂肪に滞留した水分が付着して固まったものだと思うが、満月様顔貌も二つの副腎皮質ホルモンの働きが一つになって生じた状態ではないかと思われる。

 

カリウムが排泄されるので、筋肉が痩せ細っていく。普通、カリウムの98%は細胞内に存在している。その細胞内に存在していなければならないカリウムが排出されてしまうからだ。

また、タンパク質が糖質に変換されるため、体タンパクが減ってここでも筋肉が痩せていく。特に下半身の筋肉が痩せるために血液を循環させられなくなり、顔(頭部)に組織間液が滞留し、満月様顔貌となると考えられる。

 

ステロイド薬は、強さで分けられているようだ。糖質コルチコイドの働きが弱ければ、電解質コルチコイドの働きは逆に強くなるのではないだろうか?きちんと調べていないのではっきりしたことは言えないのだが・・。

追記部分

この表を見ると、プレドニゾロンでは、電解質コルチコイド(=ミネラルコルチコイド=鉱質コルチコイド)の作用が0,8と僅かに作用するようだが、他は0となっている。

グルココルチコイド作用が弱ければ弱いほどミネラルコルチコイド作用が強まるということではなさそうだが・・。

 

うちの娘は、元々は父親譲りで顔は卵形の細面、下半身はがっしりと太かった。

ところが、ステロイド剤を服用した後、顔が丸くなり、足が細くなった。

 

高齢者で長期にステロイド剤を服用した場合、足腰が弱るのではないかと思われる。

と言って、一気に薬を止めると危険なので、医師に相談して徐々に減薬してもらうようにするのが、良い。

 

 

以下は、過去記事

myrtus77.hatenablog.com

アルドステロンは副腎皮質ホルモンの一種の電解質コルチコイドであり、腎臓の尿細管でナトリウムイオンの再吸収とカリウムイオンの排泄を促進する働きをする(『目でみるからだのメカニズム』)。このため低カリウムによって、症状として筋力の低下がおこり、重症の場合、起立不能、歩行困難となる。

これは、グリチルリチン製剤や甘草ステロイドの長期使用によって起こると書かれたものがある。
 

ステロイド(副腎皮質ホルモン)剤を長期使用すると体が副腎皮質ホルモンを造らなくなる。よって血中アルドステロンは低下となるのではないだろうか?しかし、血中アルドステロンは低下しているが、薬を服用(喘息の場合は吸入)しているためにアルドステロン作用が起きていると考えられる。

副腎皮質ホルモンの中の糖質コルチコイドに抗アレルギー作用があるため喘息などの吸入薬としてステロイド剤が使われている。糖質コルチコイドは電解質コルチコイドの受容体とも親和性を持つためアルドステロン受容体に容易に結合するようである。そのためアルドステロン作用を起こす。

しかし、ステロイド剤は服用を急に中止するとリバウンドが激しく出る場合があるので注意が必要である。徐々に止めていくようにしなければならない。薬を徐々に止めていくように指導できる医師が最も力のある医師だろうと思う。そう言えば、色々立ち読みした中に、「匙加減出来ない医者は自動販売機以下」とか何とか書いてあったのがあった。