目が覚めて眠れぬままに夜の海見ていたと聞けば何か切ない
最初にうっ血性心不全で入院したとき、β遮断剤を朝のむように処方されていた。
退院してから、私は色々調べて、「この薬は夜のむようにしてはいけませんか?」と主治医に尋ねて貰ったが、「薬は朝のむものです」という返事だった。他所から来た若い研修医だったので、そのように教科書で教えられていたのだろう。
2年後に再入院した時は、その主治医はいなくなっていて、新しく来た主治医に同じ薬を夜のむように処方されたのだった。
β遮断剤というのは、交感神経を抑制して血圧を下げる薬なのだ。だから、朝この薬を飲むと、交感神経が抑制されて日中活動が出来にくくなる。そして、朝のんだ薬が切れてくる頃には、目が覚めてくるということになる。
だから、夫は、「目が覚めて眠れぬままに夜の海」を見ていたのだ。
薬のせいだった、と今頃になって思い返している。
しかし、夜に飲んではいけない薬もある。
尿酸値を上げるARB系の降圧剤や利尿剤は、寝ている間に脱水を起こしたり、明け方に痛風発作を起こしたりしやすくなるので、夜飲んではいけない。