風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

大阪のキリスト教書店が・・(ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「大工の聖ヨセフ」)


大阪のキリスト教書店が販売に来られて、来年の卓上カレンダーやノートやクリスマス向けのポストカードなど色々買ってしまった。

中でも極めつけが、ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「大工の聖ヨセフ」が入っている画集『巨匠が描いた聖書』。ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「大工の聖ヨセフ」は三十数年前『一枚の繪』の中で見て、その後、画集が欲しいとずっと探していたのだった。この画集はラ・トゥールだけのものではないけれど、「大工の聖ヨセフ」以外にも二作品入っている。嬉しいのは、それぞれの絵画に相応しい聖書の御言葉と、聖書に基づいた解釈と作者である画家の紹介が記されているところである。
以下に抜粋引用してみる。

 夜の静まりの中で、黙々と作業をしている父ヨセフと、1本のロウソクを灯して父の手伝いをしているイエス
 この静寂の中に、ロウソクの光だけが微妙に揺れ動き、イエスの顔が神秘的に輝いています。まるでイエス自身が光源であるかのように・・・・。
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 画面の中には静寂が支配していますが、ロウソクの暖かさとともに、イエスのヨセフに対する信頼の温かさが描かれています。・・。
 一方、ヨセフの目からは一抹の不安を感じさせられます。それは、ヨセフの握っている道具を見ると、十字架の形になっていて、後に迎えるイエスの最期の状態をラ・トゥールはこの絵の中に暗示したのかもしれません。
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『巨匠が描いた聖書』町田俊之(いのちのことば社フォレストブックス)より

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新約聖書を通して神から任務を託された人々の中でもヨセフは際立って目立たない人物ではないかと私には思える。けれど、女性から見ると、否、女性としての私の目から見ると、ヨセフほど伴侶として好ましい人物は他にいないのではないかとも思われる。マタイ福音書には次のように書かれている。
夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。(マタイによる福音書1:19)表ざたになればマリアは石打の刑に処せられるのである。

エスが生まれてすぐに主の天使が夢に現れ、「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げよ」と告げた時も、即座に従って行動を起こしている。聖書の中にはヨセフが発した言葉は記されていないようだが、神の言葉に従うという点においてこれほど鮮やかに速やかに従った人物も他にいないのではないだろうか。

この、ラ・トゥールの絵の中のヨセフの目は確かに不安を感じているように思われる。しかし良く見てみると、黙々と作業をしている手元ではなく、光源であるイエスの方をまっすぐに見据えているようである。黙々と主に従う信仰の人であったことが分かるように思う。

「ピヨピヨひよこ日記」さんが描き出されたヨセフ像がとても素晴らしく感銘を受けたので、紹介させて頂きたいと思う。
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http://d.hatena.ne.jp/pypyhiyoko/20111216/p1