風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

『物語としてのケア ナラティヴ・アプローチの世界へ』


野口裕二=著『物語としてのケア ナラティヴ・アプローチの世界へ』(医学書院)
私の(楽天)ブログ命名の起因となった本である。
「ナラティヴ」とは、「物語」「語り」を意味する言葉だそうだ。そして、自己とは「自己語り」によって作り直されていくのだという。しかし、自己を語る時、この語りを確かに聞き届けてくれる人の存在が必要なのだ。

文章にするというのは、単なる独り言ではなく、もう一人の自分に自己を語るという行為なのではないかと思う。そして、ブログというのは、誰かが見てくれているという前提のもとに書かれるものではないかと思う。

この本では、カウンセリングの臨床現場での3つのナラティヴ・アプローチが紹介されている。しかし、私たちは、問題を抱えてカウンセラーの元を訪れるのでない限り、生活の中で、このようなアプローチを受けることはないだろうと思われる。けれど、私の周りにはこのような場が一つだけある。キリスト教会での祈りの場だ。
教会の祈り会では、一人一人が順番に祈っていき、一人の祈りが終わるごとに皆が「アーメン」を唱和する。この「アーメン」というのは「まことに」とか「たしかに」と訳されるそうで、祈りの中では、「私も、あなたの祈りに合わせて同じ祈りを真心から捧げる」というような意味合いになるだろうか。互いの祈りの言葉を最後まで聞き届け「アーメン」を贈り合う、それが祈りの場なのだと思う。そして、何よりこの場には、神が共にいまして私たちの祈り([語り])を聞き届けていて下さる。

もしあなたがたのうちのふたりが、どんな願い事についても地上で心を合わせるなら、天にいますわたしの父はそれをかなえて下さるであろう。ふたりまたは三人が、わたしの名によって集まっている所には、わたしもその中にいるのである。(マタイによる福音書18:19,20)
野口裕二=著『物語としてのケア』の詳しい紹介は、
    ↓
http://plaza.rakuten.co.jp/narrative1gatari/3003