風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

統合失調症

生田哲=著『心の病は食事で治す』の中には、「ヒスタミンレベルが高すぎるか、低すぎることによって、心の病や神経の異常な興奮が発生していたのである」と書かれている。又、大沢博=著『食事で治す心の病』(第三文明社でも、統合失調症の患者の生化学的検査によって分けたファイファー博士による五つのタイプが列記されている。

①血中ヒスタミンが低く、銅過剰
②血中ヒスタミンが高く、銅値が低い
③尿にピロールが検出される。亜鉛とビタミンB6の二重欠乏
④脳アレルギー ⑤低血糖症


統合失調症の子どもを持つ親御さんで「子どもの頃の私の育て方に問題があった。愛情が足りなかった」と自分を責めてしまう場合に、こういった生化学的な視点を持つことは一つの助けとなるだろうと思われる。


又、もう一つの視点を持ちたいと思う。
岡田尊司=著『パーソナリティ障害』(PHP新書には「失調型パーソナリティ障害は、統合失調症に近い、あるいは同じ遺伝的素質を持ちながら、・・統合失調症を発症していない状態と考えるのが一般的である。したがって、・・遺伝的要因の関与が比較的大きいといえる。一般人口の約三パーセントが該当すると言われている」と書かれている。
又、分裂病と人類』(東京大学出版会の中で精神科医中井久夫は、「青年期に一過性に分裂病状態を経験した人の数は予想以上に多数ではあるまいか」と述べ、分裂病者という大量の失調者は、人類とその美質の存続のためにも社会が受託しなければならない税のごときものであると言ってよいのではあるまいか」とまで書いておられる。つまり、統合失調的気質というものが人類の存続のために必要なものとして存在していると言っているのだ。


最後に、キリスト者であればもう一つ、[神からの視点]というものを持つ必要があると思う。
私たちはどんなに良い点をあげられたとしても、それが病気であれば治りたいと思うのである。苦しければ苦しい状態から抜け出したいと思うのが普通である。しかし、どんなに手を尽くしても治らないという場合がある。その時に、キリスト者は特に、「治らないのは信仰が薄いためだ」と考えないように気をつけなくてはいけないと私は思う。そう考えることによって、苦しみを一層深めてしまうことになるからだ。
パウロも、肉体の棘を取り去ってくださいと神に三度も祈ったが、取り除かれることはなかった(Ⅱコリント12)、と聖書は記している。
中井氏が分裂病親和者が人類にとって必要なのであろう」と書いているように、私たちには計り知れない神のご計画というものが、その疾病の存在の中に置かれているのだという視点、その視点を是非とも持つ必要がある、と私は思う。
その視点を持ちつつ、少しでも楽になる方法を模索していきたいと思うものだ。


自閉症の才能開発』<http://d.hatena.ne.jp/myrtus77/20111021/p1の著者テンプル・グランディン氏は、「もし、指をパチンと鳴らしさえすれば、自閉症が消えるとしても、私はそうはしない。なぜなら、自閉症は私をつくっている一部だから」と言っている。