風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

「その代金をどれぐらい人に施すかも全く自由だった。なのに…」(使徒の働き5:4 リビングバイブル)

myrtus77.hatenablog.com

ところが、アナニアという男は、妻のサフィラと相談して土地を売り、妻も承知のうえで、代金をごまかし、その一部を持って来て使徒たちの足もとに置いた。すると、ペトロは言った。「アナニア、なぜ、あなたはサタンに心を奪われ、聖霊を欺いて、土地の代金をごまかしたのか。売らないでおけば、あなたのものだったし、また、売っても、その代金は自分の思いどおりになったのではないか。どうして、こんなことをする気になったのか。あなたは人間を欺いたのではなく、神を欺いたのだ。」(使徒言行録5:1~4)

 

使徒言行録5章1〜4で、リビングバイブル訳では「ごまかし」という言葉は使われていないのだが、「自由」についての考察がこちらの方がしやすいと思うので、以下に抜粋する。

 ところが一方で、こんな事件も起こりました。アナニヤという人が妻サッピラといっしょに自分たちの土地を売ったのですが、アナニヤは、代金の一部を手もとに残しておきながら、すまして、「これで全額です」と言って使徒たちに差し出したのです。妻サッピラと示し合わせたうえでのことでした。

 しかし、ペテロはそれを見抜いて、彼を責めました。「アナニヤよ。悪魔に心を奪われたのか。これで全額ですと言った時、あなたは、ほかのだれでもなく、聖霊ご自身を欺いたのだ。あなたの財産は、売ろうと売るまいと、あなたのものであることに変わりはなかったのに。たとえ売ったとしても、その代金をどれぐらい人に施すかも全く自由だった。なのに、どうしてこんなことをしたのか。あなたは私たちを欺いたのではなく、神を欺いたのだ。」(使徒の働き5:1~4 リビングバイブル2016年)

 

「代金をどれぐらい人に施すかも全く自由だった」のに、アナニヤは代金の一部を手もとに残しながら「これで全額です」と言って差し出したのだ。

 

どうしてそのようなことをしたのか?

 

4章の終わりに、

土地や家を持っている者はそれを売り払い、代金を使徒たちのところに持って来ました。そのお金は必要に応じてみんなに分配されたので、貧しい者は一人もいませんでした。

 キプロス島出身で、レビ人のヨセフもその一人です。彼はバルナバ(慰めの子)と呼ばれていましたが、畑を売った代金を、「困っている人たちに」と言って、使徒たちのところへ持って来ました。 (使徒言行録4:34~37  リビングバイブル)

このように記されている。

 

つまりアナニヤは見栄を張りたかったのだ。見栄を張ることで、虚栄に囚われて、自由を失ったのだ。

 

信仰とは本来自由を得させるはずのものであるのに、アナニヤは自由とは真逆の、信仰とは真逆の方向へと向かっていったのだ。

福音は全ての囚われからの解放であるはずだが、教会の中でも常にこのような転倒が起こり得る。