「焼き尽くす献げ物」思ふ キッチンのミートローフは階上に匂ふ
● 『ステーキ・レボリューション』
フランスの牛肉はまずい、と思った監督と友人の肉屋がうまいステーキを求めて、…世界を旅するドキュメンタリー(抜粋引用)
石川伸一=著『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)には、家畜の餌と脂質の関係や脂質と香りと肉の熟成についても詳しく書かれている。
シャトーブリアンなんてとても手が出ないが、手を出したいとも思わない。時折お肉屋の陳列に出ているのを見かけるが、私なんて直視したらお腹を壊しそうな気がする。赤身と脂身の割合がちょうど良いものを目指してつくって呉れたら良いのに、と思う。(ミルトス)
作り直した。↓ 定型のものを考えるのはパズルを解くのに似ている気がする。
階上にミートローフは匂へり 御元にかをり立ちのぼりゆくを
他の一頭の小羊は夕にこれをささげ、朝の素祭および灌祭と同じものをこれに添えてささげ、香ばしいかおりのために主にささげる火祭としなければならない。これはあなたがたが代々会見の幕屋の入口で、主の前に絶やすことなく、ささぐべき燔祭である。わたしはその所であなたに会い、あなたと語るであろう。(出エジプト記29:41~42)
前の料理で牛肉を焼いたフライパンを火にかけると、きちんと洗っておいたフライパンでも甘い匂いが立ちのぼる。脂の匂いだと思う。
こんな記事を見つけました。
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● 燔祭(ハンサイ)を「焼き尽くす献げ物」と訳してはならない
地元の牛肉を扱うお肉屋で一番安い並肉を買う。その方がスーパーで買うより安く買えるからなのだが、脂身が多すぎることがある。お店の人に、それより少し高いお肉とではどちらが脂身が少ないかと尋ねると、並肉の方が少ないと言われる。霜降り肉の方が脂身が多いのだ、と。私は脂に弱い。それで、ニュージーランド産のスーパーの牛肉を買ってみた。
和牛と輸入肉とでは、亜鉛含有が微妙に違っている。亜鉛含有は和牛では4,0mgで銅との割合が57:1、副腎皮質ホルモン産出を促すパントテン酸が1,07mgである。輸入牛では、亜鉛量は4,1mgと僅かしか増えないが、銅との割合が51:1で、パントテン酸量が0,84mgである。どんな時でも亜鉛と銅の割合は大きくなりすぎない方が望ましいと思える。その上副腎皮質ホルモンが増えすぎて亜鉛を駄目にし、亜鉛が不足気味になっているなら、和牛より断然輸入牛肉の方が良いように思える。と思って何度か買って食べた何度目かに、獣臭さが堪らんと思ったのだった。この臭いはタンパク質の臭いなのではないか、と思った。亜鉛はタンパク質を合成するから亜鉛の多い輸入牛肉の方が赤身が多いのだと思う。焼いて良い香りを放つのは脂身の部分なのではないだろうか。聖書に出てくる焼いて香りを献げるささげ物の香りは脂身の香りに違いないと思っていた。
そんなことを思っていた頃、原産国シュージーランドと記載されたバターを買って来た。バターがあまりお店に見当たらなかったのだ。使ってみると、やはり獣臭が感じられて娘と私は駄目だった。それで、普段はジャム派の夫に使い切って貰ったのだった。