風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

「将来の健康は気にならないことはないけれど、心配しないことにしている。でも、心配。」ー風の旅人復刊第5号から


● 第905回 大石芳野さんの写真展「福島 土と生きる。」
 川崎の「東海道かわさき宿交流館」http://kawasakishuku.jp/ というところで、大石芳野さんの写真展が開かれています。(6月14日まで)
 5月30日の3時から、対談も行われます。
 テーマは、「福島 土と生きる」。東京電力福島第一原発の事故で故郷を奪われ、仕事をなくし、それでも懸命に生きようとする人々と丁寧に向き合ったものです。
 風の旅人の復刊第5号(49号)において、大石さんの写真を、「福島の祈り」というテーマで子供に焦点をあてて特集を組ませていただきましたが http://www.kazetabi.jp/、この機会に、ぜひ、展覧会でオリジナルプリントをご覧になることをお勧めします。
 というのは、…。(以下、省略)

● 第880回 視る力と、視られる写真
 写真家の大石芳野さんは、3.11の震災後、とくに福島の地を丁寧に取材し続けている。丁寧に、というのは、1人ひとりの心の内側を写真に焼き付けるために、1人ひとりとの距離の取り方が、とても丁寧なのだ。
(中略)
 …。彼女の写真は、視るというより、対象に視られるような感覚になる。それは、大石さん自身が、その場所の人々を自分の都合のいいように見て切り取っていないからだ。おそらく、大石さんは、絵になる風景を探しまわるというタイプの写真家ではない。その場所に自分という異物を挿入することの心苦しさのようなものを感じながら、つまり、その地の人々に、もしかしたら何の力にもなれない自分自身が冷ややかに視られているかもしれないという感覚のなかで、だからこそ丁寧に対象と対話をはかり、その対話の中でお互いの視線を交錯させ声にはなりにくい声を通い合わせるようにシャッターを切っているという感じがする。(抜粋引用)

「福島の祈り」写真・文=大石芳野(『風の旅人復刊第5号 いのちの文(あや)』所収)

写真は、『風の旅人復刊第5号』でご覧ください。
購入申し込みは以下から、
  ↓
http://www.kazetabi.jp/
「福島の祈り」写真・文/大石芳野 16ページ
  2011年3月の福島原発事故から、まもなく4年。原発政策に対して賛否を問う抽象的な議論は行なわれるものの、なし崩し的に、経済の論理に飲み込まれていきます。観念で危険性やメリットを論じ、天秤にかけると、生きていく為にはお金が必要という経済の論理が勝りがちなのです。
 いのちにとって本当は何がもっとも大事なことかということを考え、それをベースに対話がなされないと,道は変わらないでしょう。この特集では、福島で生きる子供達に焦点をあてています。子供達は未来の象徴であり、子供達のいのちが健やかに育まれ、その健やかさが受け継がれていく社会というものはどんなものか、お金の為だけに生きてきた大人が、少し立ち止まって、真剣に考える時期にきているのではないでしょうか。