風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

燕の巣

いたましき器なりけり燕の巣

昨年、数年前に壊されてそのままになっていた巣に燕がやってきて修復し、卵を産んだ。けれど、産んだと思ったら壊されたようで、翌朝、駐車場の床に黄身らしい染みが付着していた。その後、燕はもう一度巣を修復したのだが、またもや何者かに壊された。
燕は古巣を愛するらしく毎年同じ場所にやってくるという。秋になる頃、来年又ここに巣を作って壊されては可哀想だと思い、残っていた巣をすっかり取り払うことにした。
今年、家に、燕はやって来ない。


いたましき器(うつは)なるらむ薄き玻璃くれなゐのぶだうの液充つるとき 葛原妙子『薔薇窓』