風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

金柑(きんかん)を白ワインで煮てみた


庭のキンカンが実をつけて落ちるばかりになっていたので、白ワインで煮てみた。
砂糖と水と白ワインとレモン果汁を適当に入れて蓋をして、沸騰してきたのでアルコール分をとばそうと蓋をとると、うっ!これはあまり良い匂いとは言えない。心の底の方に沈んでいた記憶が匂いと共に湧き上がってきた。小学一年の時に麻疹に罹った。エビの殻と金柑を煎じた汁を飲まされた。あの時の家中に充満していた匂いだ。私にはとても良い匂いとは思えない。

アロマセラピーの勉強をした時、「嗅覚は大脳辺縁系で処理され、大脳辺縁系には海馬や扁桃体もあるため、香りは記憶や好き嫌いの感情と結びつきやすい」と学んだ。だから、多くの人から好まれる香りも、嫌な思い出と共に記憶している人にとっては良い香り、好きな香りとは言えない場合があると言う。それにしても、一体どれだけ昔の記憶を甦らせるというんだ。計算はしないでおこう。

ところで、翌日、冷めた金柑の白ワイン煮は匂いも気にならず美味しく戴けた。前任者が植えて残しておいてくれた植物の実で思わぬ口福に預かった。