風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

突然ですが、お酒に弱い体質についてー亜鉛とナイアシンから

ウィキペディアの「飲酒の化学」には、エタノールアセトアルデヒドを経てアルデヒドヒドロゲナーゼ酵素で酢酸に変換される。次いでアセチルCoAリガーゼでATPを消費してアセチルCoAへと変換される」と記されている。アルコールがエネルギー生成に関連していることが解る。だから「飲酒の化学」の“慢性中毒”のところには、「ヒトの脳は、通常グルコースをエネルギー源として利用するが、大酒家の場合にはグルコースの代わりにエタノールから代謝される酢酸を主要なエネルギーとして利用する場合がある。アルコール依存症を治療するために厳格な断酒を実行した場合、主たるエネルギー源である酢酸を失い、アルツハイマー症を悪化させる可能性があり、別途の酢酸摂取の必要性の指摘がなされている。また、大酒家が好んで酢を摂取することも指摘されている」などと記されている。

アルコールの代謝について色々調べてみると、毒性の強いアセトアルデヒドを酢酸に変換する脱水素酵素の活性が欠落した人と低下した人がいるということが解る。アセトアルデヒドの脱水素酵素遺伝子に変異があるため、お酒が全く飲めなかったり、具合が悪くなったりするというのだ。
アルコールをアセトアルデヒド代謝するアルコール脱水素酵素も、アセトアルデヒドを酢酸に代謝するアルデヒド脱水素酵素亜鉛含有酵素であるようだ。また、亜鉛は遺伝子の合成に関わる栄養素でもある。

『しっかり学べる!栄養学』で、ナイアシンは「体内では、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドNAD)または…という補酵素に変換される。NADは、デヒドロゲナーゼ(脱水素酵素)の補酵素として、解糖系、クエン酸回路における水素受容体となる。ナイアシンは、多くの酸化還元反応において補酵素として働くだけでなく、核内の転写の活性化や抑制にも関与している」(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』(ナツメ社)より)と記されている。
アセトアルデヒドアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に代謝される際に、(体内で変換されて補酵素となった元はナイアシンである)NADは還元されてNADHとなる。

遺伝的にお酒に弱い体質というものがある一方で、普段は強いはずだが、その時の体調によって悪酔いするという場合がある。飲酒に纏わるあるサイトには、「空腹時や運動時など、脂肪酸のβ-酸化により、ミトコンドリア内にNADH2+が多く存在すると、NADH2+を生成するALDHによるアセトアルデヒドの分解が、滞って、アセトアルデヒド濃度が高まる。その為、空腹時などに飲酒すると、早く酔い、長く酔っていることが多くなり易い。」と記されていた。

ナイアシンは体内で補酵素となって酸化型のNADとして存在し、脂肪酸のβ酸化だけでなく、解糖系からクエン酸回路のあらゆる場面で還元されてNADHとなって存在すると思われる。このことから、ナイアシン摂取量が増えすぎた場合、空腹時や運動時に限らず体内で還元型が多くなり、アセトアルデヒドの処理が滞り、酔い易くなると考えられないだろうか。

中村丁次=監修『栄養成分バイブル』には、アミノ酸の一種であるトリプトファンをとり続けると肝臓に悪影響があると記されている。
『栄養医学ガイドブック』の[TCAサイクルと、各反応に必要な栄養素]の図の中にトリプトファンからアセチルCoAに変換されていく経路が記されていたが、ここにおいてもナイアシンは還元型になっているはずである。そして、ナイアシントリプトファンからも体内で生合成される。
トリプトファンを摂り過ぎると肝臓に悪影響があると言われるのは、ナイアシンの摂り過ぎに端を発しているということではないだろうか。『しっかり学べる!栄養学』にはナイアシンの大量投与により、…、肝臓疾患(肝機能低下、劇症肝炎)などの例が報告されている」とも記されていた。そしてこのことは、体内の亜鉛量に対してナイアシンの体内量が増えすぎた場合にあらゆるところで問題が生じるというところへと繫がっているように私には思えるのである。

            


夫の大好きなお菓子達、「エキソンパイ」も「かんのやのゆべし」も「食ってよしヽ(=´▽`=)ノ」だといいんだけど・・。