風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

大口玲子歌集『桜の木にのぼる人』(短歌研究社)


18日金曜の関電前は、だいたいいつものメンバーだったように思う。1月1日が金曜だということで、この日はお休みにしましょうという申し合わせが回ってきたのだが、うちはお正月あまり忙しくもないのでどうしょうかな・・?(ミルトス)
夕暮れはさびしぃねといふを聞きながら「そう?」と応へて星を待ってる
家族持つ者にも別のさびしさのありて垣根をこえられずゐる
山茶花の咲く家 槇の実の生る家 人は愛さうとこころみながら
このひとの窓辺にせめてうつくしい夕景の海みゆるを願ふ


● 世紀の負の遺産となるCOP21パリ協定
今年はCOP21という、その内容は後で検討するとして、CO2放出量を制限する世界中の国の参加する会議が行われ、我が国の政府、…国民の大部分がこれを支持している一方で、この年末の異常な浪費=イルミネーションを喜んでいる姿は、私には理解不能です。どういう論理構造でCOP21と年末イルミネーションが両立するのか…、絶句。(抜粋引用)

街はくまなく電飾されて聖家族に居場所なかりし聖夜のごとし 大口玲子
蠟燭を傾けて火をあたへしやその夜その所作美しかりき




大口玲子歌集『桜の木にのぼる人』(短歌研究社

大口玲子さんの第五歌集を心待ちにしていた。


大口玲子さんの第五歌集『桜の木にのぼる人』は、イエスへの信仰を前面に押し出している。キリスト信仰の深まりを感じさせる歌集である。イエスへの想いは人を経由して形成されるのかも知れない。が、この時代を生きていく中で、キリストへと、キリストへと繫がっていくのでなければ生きられない、この歌集はそう告げているように思われる。
 
足もとに坐りたるわれにキリストへの最短距離を示したまひき 大口玲子

きみはつねに先立ちて歩み従ひてつきゆくときのわれの小走り

寒夜このデモにまぎるる瘦身の今も地上を歩むイエス

唯一の趣味は聖書と言ふ人の豊穣を畏れ孤独を恋へり

言ひよどむわれを容赦なく問ひつめて不意に朗らかなイエスの声は

良き大工イエス素手に触れられて体躯緊(し)まりし樹木の記憶

他の誰とも違ふ方法でわれを見るその人をわがうちに得たかりき


人は目に映ることを見るが、主は心によって見る。(サムエル記上16:7)

われ畏るわれの求むるわが恋ふるいのちの君なるイエス・キリスト ミルトス


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