風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

都知事選から考える民主主義の成熟


『脱原発の活動をこれからも自分の信念として次の世代に つなげていく』と細川氏。

エナガは早くも恋の季節「冬の間、シジュウカラヤマガラメジロエナガ、さらにはコゲラなどの異種が緩〜く群れて林の中を移動していく。・・「カラの混群」と呼ばれている。それぞれ微妙に食性の異なる鳥たちが群れることで競合を避け、集団的な警戒体制が作られるらしい。」(「撮鳥見鳥とりどりみどり」さんより抜粋引用)「エナガが超かわいい!」(ミルトス)

先の都知事選では、緑の党三宅洋平氏などは、脱原発派の二候補の間に入って一本化に向けて奔走されたようである。私は、このような三宅氏の努力には敬意を感じている。けれど、考えの違う者がそれぞれの考えのままに同じ場に立つことが出来るという状態が民主主義というものではないだろうか。同じ脱原発でも細部の考えが違う者達がいるからこそ、選ぶということが可能になってくるのである。候補が一本化されたところに、成熟した民主主義というものは成立しないと私は思う。微妙に違う者が無理に一つになればお互いを壊し、最後は崩壊するしかないだろう。

私はキリスト教徒だが、これまでの選挙のほとんどで共産党に入れてきた。若い頃、障害を持った子ども達の教育に携わっていて、教育環境を整えるために一番近かったのが共産党の考え方だったからだ。この地域は半島の丁度中程で県のはずれにあるから、養護学校がなかった。重い障害を持った子どもは小さい頃から親元を離れて施設に入るか、地域の小学校で必要な教育を受けられないまま過ごすかのどちらかだった。それが今、この地域に養護学校があるのは、共産党員を中心とした教員達の働きによるのである。共産党の考え方はやはり一本筋が通っていると言える。そして私の出会った教師である党員達は素晴らしい人達ばかりだった。だから、共産党に入れ続けて来た。

けれど、マルクス共産主義というのは、神を否定しているのである。そういうことで言うなら、いくら同じ脱原発でも共産党に入れることには躊躇われると考えるキリスト教徒がいてもおかしくはないのだ。そういった人のためにも共産党関連でない脱原発候補が今回立ったということは良かったと思う。
そしてまた、これは逆も言えるのである。私なら、同じキリスト教徒であっても原発推進候補であるなら決して入れないということだ。聖書に照らして考えた時に、原発推進はあり得ないと思うからだ。
神は、御自分と考えの違う者を即座に抹殺されるようなお方ではない。むしろ、旧約聖書を見れば、敵を用いて御自分の民を打ち、正そうとされる方である。この観点に立てば、神を否定するマルクス共産主義もこの世の中に必要なものとして存在させられているのだと理解できるはずだ。共産党共産党として立ち続けるところにその存在意義があるのである。

成熟した民主主義社会というのは、それぞれがそれぞれのままに存在することの出来る場ではないか。

けれど、問題は選挙が終わった今だ。毎週毎週官邸前抗議に参加するのは大変なことだろうと思う。いつまでこんなことを続けなければならないのかと感じることもあるだろう。焦りも生じることだろう。その方達の労力を無駄にしないためにも、私達が今やるべき事は何か。脱原発派が二つに分かれてお互いの欠点をあげつらい責任をなすりつけ合うことではない。もう一度「脱原発」という遙かな目標を見据えることではないか。これを見据えて、それぞれがそれぞれの立場で努力することではないか。無駄にしている時間はない!
しかし、「脱原発」という目標は、これを目指して歩むなら途中で死んでも本望だと思えるような壮大な目標ではないか!と私は思う。

民主主義について関連過去記事「『博士の愛した数式』とティリッヒ神学」
    ↓
http://d.hatena.ne.jp/myrtus77/20120317


新都知事・桝添氏への池上彰氏のインタビュー
(池上氏)
なるほど。政治家にはそれぞれ色んな経歴、履歴があるというご発言でした。それで言いますと、例えば、エネルギー問題ですよね。原子力発電所に関して、舛添さんの先ほどのご発言、今のお立場、よくわかるんでありますが、過去のはですね。原発に関してはもう少し稼働又は原子力発電所をエネルギー源として活用していくというので、もう少し積極的な発言をされていたと思うのですが、今回、変わったのですか。
(舛添氏)
みなさんね。3・11福島の原子力発電所の事故の後、私だけでしょうか。変わったのは。圧倒的多数の日本国民があれにショックを受けたと思いますよ。

都知事選・舛添氏勝利で注目される「脱原発の民意」

 一方、朝日・毎日・東京は「舛添氏は手堅い組織戦と、『私も脱原発』として一定の脱原発票を獲得した」・・とする。
 ・・順番はさておき、原発が争点のひとつになったのは疑う余地がない。
 都知事選の選挙結果を受けて、原発再稼働を強行する構えの安倍政権。次に来るのは山口・石川両県の知事選だ。山口では建設計画が頓挫したはずの上関原発の是非、石川では志賀原発の再稼働問題が争点になるだろう。現状では両県における自民、公明の組織は固い。二つの知事選で連勝すれば、安倍政権はますます図に乗るだろう。原発をなくすべきだという民意は、今以上に無視される状況となっていく。しかし、国民の半数以上が、原発再稼働に疑念を抱いているのは確か。都知事選の開票結果が、雄弁にそれを語っていることを忘れてはなるまい。
(抜粋引用)

都議選結果と脱原発の意志

 即時脱原発を訴えた宇都宮氏と細川氏がそれぞれ20パーセントで、合計40パーセント。そして、漸次脱原発を訴えた舛添氏が43パーセントである。したがって即時と漸次のちがいはあっても、都民の脱原発の意志は83パーセントに上る。
 これに対して原発を基幹電源にという自民党の方針と同じことを訴えた田母神氏の得票は12パーセントにすぎない。
(抜粋引用)