風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

ストレスと副腎皮質ホルモンとビタミンC

娘が帰って行った。

生まれつきアトピー性皮膚炎で、夜間付き添いのアルバイトと学校のレポートに追われてストレスフルな生活を送っている娘の皮膚はぼろぼろだった。酷い肌を見ていると、私はこれまでいったい何をやってきたのだろうと自分の無力さ加減に泣きたい思いに囚われる。


ストレスによってアトピーが悪化するという。どうしてだろう。

ストレスが加わると生体は防御反応を起こす。まず、副腎髄質からアドレナリンが分泌される。次いで、副腎皮質刺激ホルモンの分泌が促進され、副腎皮質から糖質コルチコイドが分泌されて、ストレスに対抗する。
この副腎皮質ホルモンの中の糖質コルチコイドは、体の中で炎症やアレルギーに対抗する働きもしている。つまり、ストレスが長く続いていると、ストレスに対抗する方にばかり使われてアレルギーに対抗する分がなくなるために、アレルギーが悪化するということなのだ。
この糖質コルチコイドを合成するために必要なのがビタミンCなので、ストレスフルな人はビタミンCを大量に必要としている。
      参考書籍:『目でみるからだのメカニズム』(医学書院)

副腎皮質ホルモンは体内で一定量作られているようだが、外から加えると、体は作る必要がないととらえて作らなくなるという。アトピーなどで、ステロイド剤(副腎皮質ホルモン)を常用している人が急に止めると病状が悪化するのはこのためだといえる。

「病院に行きたかったけど、忙しくて行けなかった」と言っていた。しかし病院に行けば、ステロイド剤を処方されるだろう。けれど、「一度もとの皮膚に戻したい」と言う。


アミノ酸の一種のメチオニンは血中ヒスタミンの濃度を下げアレルギーを改善する。そのメチオニンが雑穀のキビに多く含まれていると、最近知った。娘について行って食事の世話をしてやりたい衝動に駆られる。けれど、親は子どもを手放さなければならない。いつまでも小さな腕の中で囲っておくことはできないのだ。