アトピー性皮膚炎に関する新しい研究発表のニュースをツイートしてくださった方がいて、読めなくなる前に早速コピーペーストで保存した。
● アトピーのかゆみ:脊椎細胞活性化が原因 九大が解明
これは毎日新聞の記事なのだが、これを書いた記者の解釈の問題もあるのかも知れないが、「治療法は皮膚の炎症を抑えるのが主流で、かゆみを直接鎮める薬はないという」という部分にはちょっと疑問を感じた。
「くすぐったい」という感覚は「痛い」という感覚を薄めたものだという記述か何かを見た記憶があるのだが、それと同じく、「痒み」の定義自体も難しいといえば言えるのかも知れない。が、ヒスタミンは知覚神経に作用して痒みや痛みを引き起こすのではなかったか、と思う。そしてそのヒスタミンを抑制するホルモンが副腎皮質ホルモンであり、これまで薬として炎症を抑えるためだけでなく痒みを抑えるためにもステロイド剤(副腎皮質ホルモン)が処方されてきたのではないか、と思うが・・?
娘のアトピーが全身に及んで酷かった頃、副腎皮質ホルモンを出させるパントテン酸食材を昼食で食べた日の夕方、「いつもより痒みを感じなかった」と言った。そこからパントテン酸食材を中心としたアトピー治療を開始したのだった。今ではパントテン酸に留まらず、悪化を繰り返す毎にアトピーに関して様々な事柄が分かってきているが、パントテン酸食材によって痒みが和らいだというあの経験は大きな転換点だったと思う。
さて、この新しい研究発表で注目すべきところは、「脊椎の中で、『STAT3』というたんぱく質が働いてアストロサイトが活性化」するという点である。「たんぱく質」なのである、やはりキーとなるのは。
たんぱく質がアレルゲンとなるというのは、ずっと言われてきていることだが、もちろん、腸の働きが完成されていない乳幼児においては消化吸収されにくいタンパク質がアレルゲンとなるというのは分かりやすい。けれど、それだけではない。食物で摂ったタンパク質だけでなく、体内で合成されるタンパク質が問題なのだということだ。そしてここで、またしても亜鉛が関連してくると私には思われるのである。
亜鉛はタンパク質の合成に働く。そして亜鉛は免疫系の働きに作用する。良くも悪くも、つまりアレルギーを引き起こす場合にも鎮静させる場合にも、このタンパク質の合成という点で亜鉛が関与しているのである。
体内のミネラルバランスを整えるということが、とても大事であると思う。