風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

リウマチと放射能風呂の効用と亜鉛と銅

リウマチなどの3型アレルギー(免疫複合体症)の発症に関わるタンパク分解酵素亜鉛含有酵素である。ラドン温泉などの放射能風呂につかることで関節リウマチが良くなる場合があるという。これは、放射線によって生じた活性酸素を消去するために亜鉛が使われ、タンパク分解酵素としての働きが一時的に弱まるためではないかと思われる。
活性酸素消去には亜鉛と共に銅も関わっている。亜鉛と銅は同じスーパーオキシドジスムターゼとして働きながら、亜鉛が多すぎる場合は銅を排泄することになる。

 メタロチオネインは、含硫アミノ酸であるシステインを多量に含む低分子のタンパク質で、システインのSH基に金属を結合してその毒性を弱める働きがある。毒性の強い重金属が体内に入るとメタロチオネインが合成され、その重金属を捕捉する仕組みがある。メタロチオネインは必須元素である亜鉛によっても誘導されることが知られており、亜鉛の運搬体としての役割も持っていると考えられている。メタロチオネインは小腸、肝臓、腎臓といった防御・解毒・排泄機能を持つ臓器で発現しやすく、有害金属と亜鉛が入れ替わることによって重金属を捕捉し、尿中に排泄させる。すなわち、亜鉛不足や欠乏の状態はメタロチオネインの合成を低下させ、解毒機能を低下させる。(日本栄養・食糧学会=監修『亜鉛の機能と健康』より)

中村丁次=監修『栄養成分バイブル』の「シスチン」の項に、「銅などの有毒金属や、喫煙、飲酒などによって生じるフリーラジカル活性酸素。細胞を傷つけ、病気をひきおこす)から、からだを守ります。…、X線放射線の害も防げることがわかっています」と記されていた。これは、システイン(シスチン)を含むメタロチオネインによって亜鉛と入れ替わった有害金属が排泄されるということである。この時に、銅も有害金属として排泄される場合があるということだと思われる。

また、『栄養成分バイブル』の「銅」の項には、「銅が不足すると、慢性関節リウマチをおこしやすい」とも記されている。ラドン温泉などの放射能風呂につかることによって、亜鉛がスーパーオキシドジスムターゼやメタロチオネイン誘導に使われ、組織を傷害してリウマチを引き起こすタンパク分解酵素をつくらせないために一時的にリウマチが良くなったように思われるかも知れない。しかし継続的に放射線に曝されることによって、銅もスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)として消費され、リウマチは次第に悪化していくのではないだろうか。
『病気の地図帳』には、「好中球が免疫複合体を貪食する際に放出するタンパク分解酵素活性酸素が組織を傷害する」(山口和克=監修『病気の地図帳』(講談社))と記されている。

また銅については、『「脳の栄養不足」が老化を早める!』に糖化との関連で以下のようにも記されている。
 SODは活性中心に銅を含んでいる。糖化したSODは、その構造が失われてしまうため、中心におさまっていた銅が表面に出てくる。表面に出てきてしまった銅は、イオンとして存在し、次々とフリーラジカルを産生し続けるフェトン反応の引き金になってしまうのだ。(溝口徹=著『「脳の栄養不足」が老化を早める!』(青春出版)より)
こういったところからも、亜鉛や銅を含有する食物を摂取する場合でも、割合を考えることが重要だと言えると思う。そしてこれが非常に難しいことのように思われる。
以下、参考記事のリンク


● 亜鉛含有タンパク質に関する阻害メカニズムの原子・電子レベルでの理解