風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

アトピーとの闘い’14−6(銅欠乏症から亜鉛過剰症としてのアトピー性皮膚炎1)


ここの記事に関連した新しい記事は以下にまとめ直しました。
  ↓
どうしてナイアシンとビタミンCを摂ると銅値が下がりヒスタミン値が上がるのか?(最終結論として)
心不全と喘息とアセチルコリンとアナフィラキシーショック、おまけに蕎麦アレルギー
また、亜鉛が多くてT細胞の活性が強いタイプのアレルギー体質の人は亜鉛の摂りすぎに気を付けなくてはいけない。体内亜鉛が上がり銅が欠乏してくるとアトピー性皮膚炎は悪化するだろう。(抜粋)
meromeropy77.hatenablog.com


以下に書くことは私の思考過程のものなので、間違った記載があるかも知れません。

銅は、「メラニン色素の生成にかかわわる」(中村丁次=監修『栄養成分バイブル』)
メラニンは、この有害な紫外線を吸収し、紫外線の真皮侵入を防ぎます」(堺章『目でみるからだのメカニズム』)

日焼けによる皮膚の状態は予想通り早く回復するように思われた。ところが、すっかり回復する前に蕎麦を二日続けて食べさせたために一気に悪くなった。二日続けて食べる前日の昼食でも娘は出先で一人蕎麦を食べていた。つまり、三日続けて食べたということになる。これまで蕎麦にはアレルギー症状は出ておらず、北海道の蕎麦は美味しいので札幌にいた頃は時折お店でも食べていたし、家でも食べていた。それで油断していたのだが、何が悪かっただろうかと考えて蕎麦の成分を調べてみたところ、亜鉛マンガンナイアシンの値が高めだった。乾麺を茹でたものでは値が全体に下がるのだが、三日続けて食べたこと、主食として食べたために量が多かったこと、そして銅を排出するもの(亜鉛マンガンナイアシン)が総体として多かったということが皮膚の状態を悪化させたと結論づけた。

その後、上記のような銅の働きについての記述を目にして、やはり体内の銅が大量に消耗されたためにアトピーが悪化したのだと理解した。つまり、日焼けによって銅を消費していたところに蕎麦を連日食べて銅の排出に追い打ちをかけたということだ、と。 アレルギー体質がどういうものなのかということは、未だはっきりと解っていないのではないだろうか。免疫抗体反応だとか、そういった視点でばかり捉えられる。あるいは、副腎皮質ホルモンがヒスタミンの働きを抑制するということが解っているために、薬で副腎皮質ホルモンを使って治そうとする。けれど、元々のアレルギー体質というものがどういったことなのか、本当のところは誰も未だ解っていない。私自身も今回の蕎麦による悪化が始まるまでは、アレルギー体質というのは体内のヒスタミンレベルが高いということだと考えていた。けれど、これも厳密に言うと間違いだと今は考えている。

そもそもヒスタミンレベルに着目したのもアレルギー関連の情報によってではなかった。『心の病は食事で治す』という精神疾患と栄養素との関係について記述した本を読んで着目したのだ。統合失調症者の血液検査をする中で、ヒスタミンレベルの異常に高い患者と低い患者に分かれたというのだ。
そして、「低ヒスタミンは銅の過剰によって発生する。そこで銅の過剰を抑えるために、ビタミンCとナイアシンを投与したところ、ヒスタミンを正常範囲内におさめることができた。高ヒスタミンの患者にビタミンCとナイアシンを投与しても、効果はなかった。しかしカルシウムを投与すると、ヒスタミンレベルが下がり、症状は改善した」(生田哲=著『心の病は食事で治す』)と記されている。ヒスタミンはアレルギー反応を引き起こす化学物質である。ここから私は、アレルギー体質とはヒスタミンレベルの高いことを言うのだと判断したのだった。
吉川敏一=著『ビタミン・ミネラル早わかり』の銅の項目の「欠乏症は先天性と後天性に分けられる」と題された中に、「データは少ないのですが、銅の摂取不足の人は、ある程度いるものと思われます。銅欠乏症には、遺伝性と後天的なものがあります。後天的な欠乏症は、通常の状態ではなく、銅が加えられていない高カロリー輸液を行ったとき、銅の含有量が少ないミルクによる栄養管理中、未熟児、たんぱく栄養障害、難治性下痢症のときなどに見られます」とある。疑問の残る後半部分は脇に置いて、これを見る限り先天的に銅欠乏症の人がいるということである。
娘のアトピーは生まれて4ヶ月で判明している。症状は生まれて一月の間にすでに出ていたのを記憶している。つまり、先天的にアトピーだったと言える。これは、先天的に銅欠乏症だったというところに繋がるように思う。 銅の働きには様々あるがアトピーと関係するところで大きいのは「からだがビタミンCを使うときに必要」(『栄養成分バイブル』)というのである。ビタミンCはコラーゲンの合成にも働くが、ここで最も重要なのは、ヒスタミンを抑制する副腎皮質ホルモンの生成に使われるということだ。そして銅は、ビタミンCが副腎皮質ホルモンを生成する時にそれを助ける働きをするということなのである。 では、銅とビタミンCをたっぷり摂れば良いかというと、そう簡単ではない。 銅とビタミンCは鉄と一緒に摂ることで赤血球のヘモグロビンを造る。又、フェニールアラニン、ビタミンB6、ビタミンB12葉酸と共にアドレナリンやノルアドレナリンを造る。つまり一緒に摂るものによって使われる方向性が微妙に違ってくると考えられる。そして、ストレスがかかった場合は副腎皮質ホルモンはヒスタミンを抑制するよりもストレスに対抗する方に優先的に使われることになる。
上記に引用した『心の病は食事で治す』「銅の過剰を抑えるためにビタミンC・・を投与したところ、ヒスタミンを正常範囲内におさめることができた」というのはこういったところと関連している。つまりヒスタミンレベルの低い統合失調症者の場合は過剰な銅によって大量のドーパミンが脳内に造られているということである。そこへビタミンCを摂取することで、大量のドーパミンをアドレナリンやノルアドレナリンに変換して、統合失調症の陽性症状を治めるということなのだと考えられる。 このアドレナリンやノルアドレナリンというのは副腎髄質ホルモンなのだが、ストレスがかかった場合に副腎から先ず分泌されるのがアドレナリンということである。アドレナリンが分泌されることで、副腎皮質ホルモンが分泌される。ビタミンCは副腎皮質ホルモンの合成にも使われるわけだが、この時に銅の助けが必要であり、統合失調症者の過剰な銅がここで消費されるというわけである。

としたら、アトピーの場合はそこから先を考えなければならないということだ。アトピーの場合は銅が不足している状態だからである。 どちらにしても副腎皮質ホルモンによってヒスタミンを抑えるということになるのだが、だから副腎皮質ホルモンを薬(ステロイド剤)で摂るということになると、そこに新たな問題がまた現れて来る。 この流れは一度はっきりさせておく必要があるだろう。アトピー体質というのは銅欠乏からきているということ。ヒスタミンを抑制する副腎皮質ホルモンを造るために銅が必要だということ。銅は亜鉛マンガンナイアシンなどによって排出されやすいということ、である。
このことをはっきりさせておかないと、間違った取り組みがなされる可能性がある。サプリメントで治療する分子整合医学の本の中で、アトピー性皮膚炎治療に必要な栄養素に「亜鉛」が記載されていたりする。そこには亜鉛の効能として、「各種ホルモンの分泌、皮膚の新陳代謝を助ける。・・。皮膚の成分でもあるタンパク質合成に作用。・・。」と記されているが、アトピー性皮膚炎の場合、皮膚をつくることそのことだけを考えていても治すことはできないと私は思う。そしてこの本の中では「銅」についての言及が全くなされていない。

昨年の今頃、アトピーが酷くなった成人男性を母親が玄米菜食で治そうとしたところ悪化したという症例の報告を漢方特集の雑誌の中で見たのだが、何かというと玄米菜食で治るというような人がいる。又、玄米は消化が悪いからアトピーの人には向かないと言う人もいる。けれどアトピーが銅欠乏に起因しているとするなら、銅を排出するマンガン亜鉛を多く含む玄米を食べ続ければ悪化するのは当然の成り行きなのである。

しかし、銅欠乏によってアトピーが悪化するという考えは医療の現場では採用されないだろうと思う。それに着目して食事でアトピーを軽減できるようになれば医師も製薬会社も儲からなくなるからである。

参考書籍:生田哲=著『心の病は食事で治す』(PHP新書
     堺章『目でみるからだのメカニズム』(医学書院)
     中村丁次=監修『栄養成分バイブル』(主婦と生活社
     吉川敏一=著『ビタミン・ミネラル早わかり』(幻冬舎


Johnson & Johnsonグループは17人もの患者が死亡する新薬の実験を日本で行っている