風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

酵素シロップのその後と、奥野修司=著『放射能に抗う』(講談社文庫)


セシウムの語源が青と知ってから「いらくさのとげはいたいよ」さんより

2回目にリンゴとセロリのシロップを作った時、濾している暇がなくて放置していたら、液から出た部分のリンゴにカビを生やしてしまった。それで仕方なく捨てた。さんずだけで作ったシロップは苦みがあって、牛乳に混ぜるとヨーグルトのように牛乳を固めてしまう。
朝食はしっかり摂らないで酵素ジュースだけが良いと本には書いてあるのだが、私の朝食は砂糖入りのカフェオレ1杯だけなので、それに酵素ジュースを飲むとお腹がすいてお昼までもたない。飲み始めた頃、家族から「何だかやたらお腹がすく」と言われた。酵素シロップを飲んで良いんだか悪いんだか分からない気がした。お腹がすいて何かもっと食べなきゃいけないというのでは何のために飲んでいるんだか分からない。食前酒のように、食をすすめるために飲むのがいいのかな?人参と生姜のシロップは夕食の食前酒がわりに飲むのが良いような気がした。

発酵食品を最初に食べた人は偉いなぁと思う。今ではチーズにわざわざカビをつけて食べるのだから。酵素シロップのリンゴについたカビも食べられたのかなぁ?でも、見つけてしまったらとても食べる勇気は出ない!納豆なんかも東北人と結婚した今は冷蔵庫に必ず入っている状態だけれど、基本的に関西人の私は納豆の匂いが傍にするだけでも嫌だった。そういう匂いのする物を食べて以来食べ続けているというのが凄いと思う。


リンゴとセロリのシロップを漬け込んでいる時は得も言われぬ良い香りがしたが、今漬け込んでいるカリフラワーの酢漬けは魚のような匂いがする。もしかしたらカリフラワーからもαリノレン酸の多い油が抽出できるのだろうかと思ったりする。そう言えばカリフラワーは油をとるアブラナ科の植物だ。だけどこの匂い、あまり食欲をそそる良い香りとは言えない。

色々やってみた結果、酵素シロップは、美味しいと思える場合は少量作ってさっさと飲むのが一番だと思った。


それより、酵素シロップを作って思ったのは、放射能のことだ。リンゴや柑橘類の皮や種に多く含まれるペクチンセシウムを取り除くと言われている。リンゴやさんずを漬け込みながら、ここにはペクチンが溶け出ているんじゃないかと考えていた。

奥野修司=著『放射能に抗う』(講談社文庫)にはチェルノブイリではリンゴペクチンが用いられました。ペクチンは強いマイナスの電荷をもっていて、セシウムとよくくっつくんです。消化されたら駄目ですが、不溶性のペクチンは便として出てくるんです」と書かれている。このことは、もう、一般に知られてきていることだけれど、「植物はセシウムをそのまま吸収するわけじゃないんです。イオン化しないと根から吸えないんです。山の沢を流れる伏流水に落ち葉が落ち、朽ちるときにセルロースや繊維質が発酵腐敗してアンモニウムイオンを出します。このアンモニウムイオンがセシウムをイオン化するのです。つまり山の清流が田んぼに流れ込むと、稲はイオン化したセシウムをどんどん吸収していって、移行率が高くなるのです」とも書かれている。

私達はもう過去の状態には戻れないのである。これからどんどん放射能は広がる一方だろうと思う。それなら、もっと放射能に対抗して生きていく術を考えなくてはならないのではないかと思う。

酵素シロップを作りながら、「ペクチン」、「溶け出す」、「イオン化」、「くっつく」などをヒントにして放射能対策をもっとすすめていけないのだろうかと考えたりしたのだった。例えば、放射能汚染された林檎からもペクチンをとりだして活用するというのは不可能なことなのだろうか、と。

何もかも若い方達に押しつけては申し訳ないのだけれど、そういう研究をしてくださる若い方が出てきてくだされば、と思ったのだ。