この【ゆっくり解説】シリーズの動画は話し方が可愛いので時々見るのだが、今回の動画では、糖尿病の指標となるHbA1cの値や血糖値を下げるために食後にリンゴ酢などを摂ると良いと語られている。
『目でみるからだのメカニズム』(医学書院)には、血液のpHがアルカローシスで起こってくる病気の中に甲状腺機能亢進症が入っており、アシドーシスで起こる病気の中に糖尿病が入っている。
夫は若い頃、酢の物が嫌いだったが、だるくて疲れるとお酢が良いと言って飲むお酢を探しては試したがっていた。
甲状腺機能亢進症だと気づかずに、どんどん痩せていく時にも、運動不足だから運動しなきゃと言って歩きに行ったり、お酢を飲んだりしていた。
これはまずいということで、病院に行って、甲状腺機能亢進症と診断され、「運動はいけません、安静にしていてください」と言われたのだった。
つまり、真逆の体質で、やってはいけないことをやっていたのだ。
代謝が進むので、運動はしてはいけなかった。
そして、お酢は体内に入って血液をアルカリに変えるから、アルカリに傾くことでなった病気(甲状腺機能亢進症)の時にお酢を飲んではいけなかったのだ。
この動画で、いくつか勧められている中の最後に、地中海食が紹介されている。
地中海食では魚介類を多く食すようである。魚介類にはセレンを多く含有する物が多いが、このセレンは、「どうしてこれらの薬は亜鉛を排出するように作られているのか? 」でも書いたように、甲状腺ホルモンをT4からT3に変換する栄養素である。
だからセレンの多い食べ物を摂ることで、甲状腺ホルモンが造られ、甲状腺機能が亢進され、代謝を高め、血糖を消費するため糖尿病とはならない、と考えられる。
この動画で紹介されている地中海食の中のオートミールにもセレンが多い。麦類に多く含有される含硫アミノ酸のシスチンに結合してセレノシステインとして含有されていると考えられる。
しかし、これもまた、「どうしてこれらの薬は亜鉛を排出するように作られているのか? 」で書いたように、甲状腺ホルモンが合成されるためには亜鉛が二段階で必要となるのである。
だから、
亜鉛が欠乏している状態でセレンの多い物を摂り続ければ、甲状腺ホルモンが合成されないだけでなく、糖尿病など他の病気も発症してくることになるだろう。なぜなら、インスリン合成にも亜鉛が必要だからである。
そしておそらく、亜鉛はインスリン受容体形成のためにも必要だろうから、亜鉛が欠乏していれば、インスリンは合成されてもインスリン抵抗性の糖尿病となり得る。