風と、光と・・・

すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。(ヨハネによる福音書1:9)

細胞外液による緩衝作用とアルカローシス、アシドーシス

以下の内容は私の思考過程のものであり、間違いが含まれているかも知れません。

体液中に存在する二酸化炭素(CO2)の一部は、水(H2O)と反応して炭酸(H2CO3)となり、H2CO3の一部はH+とHCO3ーに解離し、血中に酸性物質(H+)が増えた場合、H+はHCO3ーと反応し、H+は中和される。一方、血中に塩基性物質(OHー)が増えた場合、OHーはH+と結合して水になり、その結果、不足したH+は次の反応が進むことによって補充される。(参考:川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』)

緩衝作用によって体液のpHが一定に保たれる一方で、体内pHが崩れて起こってくる病気がある。

『目でみるからだのメカニズム』によると、血液がアルカリ性に傾くアルカローシスでは、「反復性嘔吐、過呼吸による過換気、中枢神経障害、貧血、甲状腺機能亢進症」があげられている。この時の血中水素イオン(H+)は低下となっている。
また、酸性に傾くアシドーシスでは、「腎不全、糖尿病、下痢、乳酸産生増大(運動、心筋梗塞)、喚起障害(呼吸器疾患など)」があり、この時の血中水素イオンは「H+上昇」と記されている。
同じ『目でみるからだのメカニズム』から記したものかどうか覚えていないのだが、自分で、アシドーシスでは「カルシウムのイオン型増」、アルカローシスでは「高タンパク血症では総Caが増加」と記している。


以前ブログで引用させていただいた国府台病院のサイトの「カリウムの体内動態」について記した中に甲状腺ホルモンやβ2カテコラミンは細胞膜のNa/K ATPaseを活性化して、Kの細胞内移動を促進する。甲状腺ホルモンはNa/K ATPaseの数も上昇させる」と書かれていた。
ここを見て、私は、夫の甲状腺機能亢進症から考えても、甲状腺ホルモンがカリウムを細胞内に多くすることに納得出来ると思ったのだった。
ところが、アルカローシスについて「細胞内から細胞外への[H+]の移行→[K+]が細胞内に取り込まれる」と書かれていることに納得出来なかった。アルカローシスでは血中水素イオンは低下するはずだと思っていたからだ。
緩衝作用について書かれたところを見ても、イオンの動きは変化が激しい上に、ホルモンや神経伝達物質等、あらゆる要素が絡み合って調整しているので難しく思う。


これまで私は、「細胞内に移行する」というときの細胞内の中に腎臓を考えていなかった。バカだ!カリウムが細胞内に移行するというとき、腎臓細胞内にも移行し、そこで濾され、尿細管で再吸収されたりされなかったりして、最終的に尿として排出されるのだと、今になって気づいた。血中と尿管を直でつないで考えていた。その間に腎臓細胞があるのを忘れていたのだ。本当にバカだ!
物質は、血液中から細胞間質に移動し、そこから腎臓細胞に入り濾過され、尿細管に出る。そこで再吸収された場合は、尿細管から細胞間質へ移動し、そこから血中に戻るということだ。


緩衝作用は細胞外液による以外に、肺によるものと、腎臓によるものがある。
以下に、腎臓による緩衝作用について書いた部分を引用する。

3腎臓による緩衝作用
 腎臓も、余分な酸や塩基を排出することで、血液のpH値を変えることができる。腎臓での調整は、肺よりも緩やかなペースで行われるため、数日間かかる。(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』(ナツメ社)より)


参考書籍:堺章『目でみるからだのメカニズム』(医学書院)